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 幸い【救世主】のお陰でステータスが倍加してるはず。確かに体が軽いですから。を、


 幸い【救世主】と【絶望への挑戦者】のお陰でステータスが4倍になってるはず。やけに体が軽いですから。


 に、大幅に編集しました。ご迷惑をお掛けしました。

『ロザちゃんんんんんん!!』


 またリィーちゃんの悲痛な叫びが聞こえてきた。

 くそ! もう少しで着くのに!

 街まではもう100mもない。

 がむしゃらに、ゴツゴツしている岩場を蹴って進む。


「着いた!」


 眼下を見下ろすと、変な色の鳥がリィーちゃんを掴み浮き始めいた。

 急いで蒼空と白夜を地面に置き、初心者用の扇を左手に持ち、纏いと変動を掛けて魔力で刃を作り、左下から投擲する。

 扇が怪鳥に向けて飛んで行く間に、右手に鉄扇真紅を持ち、足に魔力を纏いダッシュとジャンプを意識しながら一気に怪鳥目掛けて飛ぶ。

 すると━━一瞬にして怪鳥の目の前に移動した。

 これはまだ馬に不慣れだった頃に、空に飛んだ白夜を助け様として、閃き掛けたのを学校や鍛冶の合間に練った技だ。

 怪鳥は下から突然飛来した扇に驚いて退き、動きを止める。

 ━━チャンス!

 真紅に魔力を乗せ、足目掛けて思いっきり! 振り下ろす。

 鈍器で板を叩いた様な鈍い音がし、怪鳥が痛みに負けて堪らずにリィーちゃんを離した。

 俺は空いてる左手を伸ばしてリィーちゃんを掴み、抱き締めた。

 後ろから怒った怪鳥の鳴き声が聞こえ、俺に向かい襲おうとするも、後ろから弧を描いて戻ってきた扇が背中に刺さり、動きを止めた。


「ファイヤーボール、ウォーターボール。ファイヤーカッター、ウォーターカッター」


 魔力流動を使い出した魔法を空中に留める。


「よっと。浮遊」


 地面に激突寸前で浮遊を掛け、落下速度をゼロにしてから浮遊を解除して着地する。


「大丈夫? リィーちゃん??」

「お、にぃー、ちゃん?? なんで?」

「守るって約束したからね。リィーちゃんの騎士だから当然だよ」


 リィーちゃんの滑らかな髪を撫でてあげる。なんか昔の妹達を思い出しました。ま、今もそんな変わらないか。


「おにぃちゃゃゃゃゃん!!」


 泣きつかれました。取り敢えずクルルの横に移動しましょう。

 地上にいた2羽の怪鳥の意識が俺へと向き近付いて来る。

 空で待機してる魔法の流動を切り、怪鳥へと向けて飛ばすと、怪鳥に辺り爆発した。


「大丈夫か? クルル。ほれ、回復ポーション」


 クルルの口に押し込み飲ます。


「うんぐ! ぐぐぐ! ぷはっ! トータ! ありがたいんだが! 物凄くありがたいんだが! 他の飲ませ方は無かったのか!?」


 ないです。


「クルル、後ポーション3個渡しとく、俺ちょっとロザさんのとこ行ってくるから、軽く足止めお願いね~」

「簡単に行ってくれるな。だか、頼む! ロザを助けてくれ!」


 俺は頷くと、崖の上から奇襲を掛けたように地面を蹴る。すると、一瞬にしてロザさんの前に着いた。

 どうでもいいけど、これ魔力いっぱい喰うな。連発は止めとこ。

 ロザさんの口に手を当てると僅かにだが息があった。

 頭を膝に乗せ、回復ポーションを取り出し飲ませる。

 一応は傷が塞がったが、まだ意識が無いのでもう一本飲ませると、意識を取り戻した。


「私は━━?」

「大丈夫? ロザさん!?」

「と、トータ様! 何故に膝枕!?」


 そうですよね? 急な事態ですから呑み込めませんよね。


「死にそうなロザさんを助ける為にです」

「はっ! そうだ! リリィー様!」

「ここにいるの!」


 ロザさんが声のした方に振り向くと、ポツンと立ってるリィーちゃんと目があった。


「良かった~。リリィー様! 本当にご無事で良かった~」


 胸に手を当て心底安堵の吐息を吐くロザさん。


「ロザさん。回復ポーション3本渡しますんで飲んで下さい。そしたら他の騎士団員とそうだ━━召喚!」


 蒼空と白夜が俺の横に現れたので、白夜をリィーちゃんに手渡す。


「白夜をお願いします」

「そちらの狼さんは大丈夫ですか?」


 蒼空を見る。


『いいですわね白夜? マスターの本気の戦いを観ときなさい。私達はこの方と歩むのですから』

『はいです! 刮目するです!』


 2匹でそんなやり取りをしていた。ま、俺にしか分からないけど。


「大丈夫です。では、怪鳥引き離しますんでよろしくお願いします」

「がんばってなの!」

「お気をつけ下さい」

『マスター、蒼空姉さん行ってらっしゃいです!』


 おお、皆から心配されると思って無かった。ちょっと感動です。


「うん。行ってくる!」

『行って来ますわ』


 俺は自分で作った鉄扇を左手に持って開く。これで準備は出来ました。では、参ります!


「ウォーターボール」


 駆け出しながら、クルルを突こうとしている怪鳥に向けて水の玉を飛ばす。


「ナイスな牽制だ!」


 クルルが一回り大きな怪鳥と攻防しながら声を上げた。

 お? 巨大な怪鳥以外は、こちらに意識が向いたか? こっちらに駆けて来る。

 怪鳥の嘴での突きを、俺と蒼空は危なげなしに躱し、クルルと合流。


「クルル少し離れよう」

「わかった!」


 俺の提案にクルルが即座に了承し、誰も倒れてない方へ移動する。


「ここで大丈夫だな。でトータ、どうする?」

「そうだな。どうしよう?」

『マスター。私が小さいのは、殺りますから、二人でデカイのお願いしますわ』


 そっか~。この反応からして蒼空には余裕のある相手なのかあ~。流石です。


「クルル、小さいのは蒼空が殺るから、俺達はデカイの殺るぞ!」

「大丈夫なのか? 狼に任せても?」


 クルルの言葉に蒼空は、ふん。と、鼻で嗤うと本来の姿に戻った。

 ━━威圧付きで。


「くっ!」


 クルルが蒼空の威圧に蹴落とされてますね。無意識に距離開けちゃってますもん。あ、敵もだ。

 蒼空はチラッとクルルに視線を向けると口角を上げて笑い。飛び出した。

 弾丸染みたスピードで━━。

 おお! 雷光がバチバチしてる。あ、2匹の怪鳥が森の方に吹っ飛ばされた!

 次は俺たちの番か。幸い【救世主】と【絶望への挑戦者】のお陰でステータスが4倍になってるはず。やけに体が軽いですから。

 森の中から幾重にも爆音が木霊する。

 蒼空の奴、派手に暴れてるな。あいつが味方で良かったよ~。ハッキリ言って、戦うのシンドそうだもん。

 さてと。

 ━━参ります!

 鉄扇真紅を開いて2本の鉄扇を後方へ流しながら駆け出す。

 怪鳥が牽制狙いの風の玉を放つが、最小限の移動だけで躱して行き迫る。

 横凪ぎされた翼をしゃがんで回避し、嘴を左手の鉄扇で後方へ流して、肉薄する。

 まずは小手調べに怪鳥の胸に鉄扇真紅を振り下ろす。

 硬いな。金属みたいな音がした。


「ファイヤーランス」


 そのまま振り下ろした鉄扇真紅を横に振るい、回転して左手の扇を胸に当て、ゼロ距離から火の槍を放つ。

 ゼロ距離から放たれた魔法は、爆煙を上げ怪鳥を浮き上がらせて後方へと吹き飛ばした。

 必死の思いで羽ばたき、止まろうとする怪鳥にクルルが迫る。


「はっ!」


 気合いを乗せた声と共にクルルが連撃を入れ、サンダーボルトを放つ。

 怪鳥の身体を電撃が走り回る。

 痺れて動けないか? チャンス!

 駆け出し飛び蹴りを入れて、両手の扇に魔力を纏い連撃を叩き込む。

 一撃、二撃、三撃! ━━そして十八連撃!!

 一度体制を立て直す為に怪鳥と距離を取る。あ、クルルも丁度距離を取ったところか。

 怪鳥は翼を閉じると、勢い良く開くき、飛び上がった。

 何をするんだ?

 訝しみながら見上げていると、幾つもの風の玉が周りに浮かび上がり、一斉に襲い掛かってきた。

 なるほど。そうきたかぁ。

 降ってくる風の玉を両手の鉄扇で後方へと流す。


「くっ!」


 って、クルルが苦戦してますね。しゃあない。

 避けたり流したりしながらクルルの前に飛び出し、魔力を刃に変えて鉄扇に纏わせる。


「はっ!」


 裂帛の気合いと共に腕を素早く動かして、魔法を破壊していく。


「ウソ!? あ! いや、済まない助かった!」


 どうやら魔法を切り裂いてる事に驚いてるらしいけど、多分そんなに難易度は高くないと思うよ? 魔力察知が出来ればいけます。


「クルル、魔法で落とせないかな?」

「やってみる!」


 クルルは1歩下がって怪鳥と距離を取る。


「サンダーショット!」


 雷の玉が幾つも撃ち出される。

 中心では二つの玉がぶつかり弾け、俺達には風の玉が、怪鳥には雷の玉が襲う。

 なんか戦場みたいだな~。あ! 戦場か!


「クルル後ろに飛んで!」


 叫ぶと、俺は駆け出し、怪鳥の下で魔力を使い思いっきり跳躍する。


「斬鉄」


 アーツを使い左下から切り上げる。と、俺に気付いた怪鳥が嘴を入れて遮ろうとする。

 それは、悪手だな。

 アーツ+魔力の刃+俺の腕。結果は明らかだ。

 嘴が空に舞う。

 怪鳥はあまりの痛さに暴れながら飛び始める。


「ウォーターフォール!」


 空から大きな水が怪鳥目掛けて降ってきた。

 おお! まるで滝ですな! 怪鳥呑み込んで地面に叩き付けてる。あ、無くなった。

 水が無くなると怪鳥がピクピクと、浜辺に打ち上げられた魚の様になっていた。

 浮遊を掛けてから地面に着地する。

 もう終わりかな?

 完全に動かなくなった怪鳥の横に移動する。


『マスター跳ぶです!』

「ファイヤーランス、ウォーターランス」


 白夜からの念話が入った途端に火と水の槍を作る。━━と、怪鳥が飛び跳ね、俺に向けて落ちて来る。

 だが、槍の矛先はもう既に怪鳥に向いている。

 俺の意思のもとで放たれられたランスは、怪鳥に吸い込まれるように当たり、大爆発を起こした。

 辺り一面を爆風が吹き荒れ、爆音が響き渡る。俺も絶賛飛ばされ中です。


「浮遊」


 爆風が弱くなった頃を見計らって、浮遊を掛けて無事着地。お、インホがいっぱいだ。━━はっ! 何かいる!

 慌てて振り向くと蒼空が尻尾を振って座っていた。傷一つ無く。


『終わりましたわねマスター』

『そうだね。蒼空の方はどうだった?』

『余裕ですわよ? ほら』


 蒼空が示した方を見てみると、木々がきらきらと輝いていた。

 うん。蒼空さん? 敵が余裕なの? それとも一面氷漬けにするのが余裕なの? あ、両方か。


「お、終ったな」


 蒼空を撫でてたらクルルが来た。


「どした? なんで? ビクビクしてるの?」

「い、いや、ととトータに連れられてた狼、ひょひょひょう雷狼だだだったんだなぁ!」


 なんかクルルが泣きそうになってますね? 蒼空に何かあるのかな? ま、気にしませんが。


『マスター!!』


 白夜の声がしたので振り返ると、白夜が飛び込んで来るのが見えたので抱き止める。


『白夜跳躍察知ありがとうね』

『はいです。マスターなら何とかしそうでしたが、声を掛けちゃいました!』


 な、なんて可愛い兎なのでしょう。取り敢えずモフります。━━と、そろそろ騎士団員も集まって来るかな。あれ、誰も近付いて来ない?


「ととととータ? で、出来れば狼をも戻して欲しいんだがあ」


 ああ。それでか。


「蒼空、いつもの場所にお出で?」

『はいですわ。マスター』


 蒼空が小さくなって、懐に入ると首元から顔をだす。と、気配を消した。


「で、どうするの? このまま帰るの?」

「それなんだが、今日どうしても戻らないと行けないんだ。だから騎士2人を残して、帰ろうと思う。いいか?」


 うん? なんだろう? 心無しかクルルがそわそわしている様に見える。


「うん。いいぞ」

「それで先頭を任せたいんだが大丈夫か?」


 ああ。それでか。確かに先頭を任せるのは、重大事項だもんな。納得です。


「ああ。任せろ」

「それとこれを貰ってくれ」

「なんだこれ?」


 虹色に光る宝石だ。模様が入ってる。家紋かな?

 手に持つと、アイテム『王家の灯し』を手に入れました。と、称号【王家の守り人】を手に入れまして。と、インホが入った。って嘘!? 今、貰うか、どうするかの、選択の有無なかったよね! またか? またなのか!?

 一応見てみます。


『王家の灯し』重量10 効果・レティノーズ王家の威光が届くところでは優遇される。『備考』レティノーズ王家の家紋が刻まれた水晶。完全に信頼した人にしか渡さない。


【王家の守り人】効果・パーティーや同行者に王家の者がいる時、全ステータス+2。もしくはフレンドリストに名前がある王家の者が同行する場合、全ステータス+5される。『備考』アイテム『王家の灯し』を貰った者にのみ送られる称号です。


 なるほど。これを渡す為にソワソワしてたのか。見ようによっては女から男へのプレゼントですもんね。うん? 恋人どうしのプレゼントか? 良く分かりません。


「クルルって、お姫様だったんだ!? なのになんで騎士団長?」

「すまん。それは今度暇な時に話す。今は帰りの支度をしちゃわないと」


 そう言えばここから6時間掛かるんでしたね。忘れてました。


「うん。そうだね。今度時間出来たら聞きに行くよ」

「楽しみにしてる」


 クルルとそんな感じで笑い合っていたら。


「ふたりだけで、ずるいの! わたくしもこれわたすの!!」


 リィーちゃんが割り込んできた。

 そっか~。リィーちゃんも王家だもんな~。今も聞いたから、来る時に聞いた、わたくし、も聞き間違いじゃなかったか。


「おにぃちゃん。うけとってくださいなの!」


 翼をモチーフにした飾りを渡せれた。はい。インホも2件来ましたよ。アイテム『巫女の導き』と、称号【巫女の守り人】だって。内容はこれ。


『巫女の導き』重量10 効果・神の威光が届くところでは優遇される。『備考』銀で作られた飾り。上位の巫女のみが渡す事を許されていて、上位の巫女が完全に信頼した人にしか渡さない。


【巫女の守り人】効果・パーティーや同行者に巫女がいる時、全ステータス+2。もしくはフレンドリストに名前がある巫女が同行する場合、全ステータス+5される。『備考』アイテム『巫女の導き』を貰った者にのみ送られる称号です。


 予想はしておりましたが、こちらは巫女バージョンでしたね。やっぱり。


「ありごとうリィーちゃん。それにクルルも。大切にするね」

「うむ」

「たいせつにしてね? なの!」


 リィーちゃんの頭を撫でながらお礼をしたら、二人とも嬉しそうに笑っていた。


「では、私は街の長と話してくるな?」

「うん。わかった」

「はいなの!」


 クルルが住人の集まってる地点へ移動しながら、団員に指示をだす。

 それからクルルが再び戻って来たのは、30分後の事だった。ま、俺的にはリィーちゃんとずっと話してたからいいんだけどね。

 そうそう。あの傾いた教会は、実は中に入ると真っ直ぐ建ってるんだって。謎です。


「よし! 皆馬に乗ったな! では、トータ! 先頭を頼む!」

「わかった!」


 俺が返事をすると、クルルは剣を掲げる。


「出発!!」

『おおおおおおおおおおおおおおお!』


 クルルの力強い叫びと団員の声が重なり、天へと抜けて行く。

 俺は先頭を切って馬を走らせ断崖の街を後にしたのだった。

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