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同行者

 書き忘れたスキルと一部のスキルのレベルを修正しました。

「ぎやああああああああああ!! 止めてくれ! どうやって速度落とすの!?」

『私にお任せ下さいマスター』

「蒼空様お願いします」


 蒼空が一瞬だけ気配を解放する。え? それはヤバくない!?

 馬が急ブレーキを掛けて、前のめりに転けそうになるのを、手綱を使い必死にコントロールする。危なかった。後少しで転けるとこだった。あれ? 白夜は?


『マスター助けてです!』


 はっ! 空中から声が!


『あ、高く飛ばされてますわね』


 蒼空よ。その反応は呑気過ぎないか? と、白夜を助けないと。

 馬から飛び降りて落下地点までダッシュ。

 うん? 今の行動なんか閃き掛けたぞ? なんだろう?


『ま、マスター! あたしの事忘れてないです!?』


 あ、いけないいけない。白夜助けなきゃ。

 降ってきた白夜を無事にキャッチしました。はっ! もしかしたら━━漏らされる!?


『漏らさないですよ!!』


 今回は大丈夫のようです。いや、昨日のがトラウマになってるんです。


『キュ~ウ。もう。お礼言い難いじゃないですか! 取り敢えず、ありがとうです。マスター』


 あら可愛い。少し拗ねながらも恥ずかそうにお礼言いましたよ。この娘。


『ちょ! マスター擽ったいですよ~』


 はっ! 思わず手が光速で撫で回してました。ま、しょうがないよね。よくあるよくある。


「おい! 大丈夫か?」


 クルルが心配そうに掛け寄って来た。


「大丈夫だよ。それより馬の止め片教えといて欲しかった」

「すまん。忘れていた。軽く足で叩けば速度を落とすぞ」

「了解。次からそうする」


 隊員が気を使って馬を連れて来てくれた。


「ありがとうロザさん」

「いいえ」


 なんか声が固いな。でも馬を連れて来てくれたから好い人ではあるよね。きっと。


「あ、そうだ! クルル。俺ボス倒してないけど、平原越えられるの?」

「うん? あれは次の街道に行く為の指標ってだけで、別に倒さなくても街道に出れるぞ? じゃなきゃ皆産まれた土地から出る事が出来ないだろ? 倒せない者は護衛を雇うか用心して進めって事だな。一応街道はあまりモンスターも出現しないしな」


 そうだよな。住人に取っては死活問題になるからな。あ! ちょっとイジワルな質問思い付いた。


「ふ~ん。ボスが沸く理由は分かってるの?」

「なんでもこの世界にある魔力が、天上界や魔界の魔力と反発しながらも無理な融合をした結果生まれるらしい」


 プレイヤーからしたらシステムでも、住人からしたら違う理由がちゃんとあるんですね。


「さて、そろそろ行こう。あそこ見えるか? あの大きな岩。あそこからマップが変わり、そこから少し奥に行ったところに街道がある。そしたら後は道なりの移動だ」


 うんとどれどれ? ああ。あそこの草が途切れてる場所にある石碑みたいな岩か。


「あれて記念日か石碑かなんか?」


 馬に乗り直しながら尋ねる。


「ん? 違うぞ。単なる道しるべだ。では行こう」


 クルルは端的に答えると馬を走らせた。

 よし。今度は落ちないように、クルルに教わったようにコントロールしよう。




『付けられてますわマスター』


 街道を進み、左右の景色が砂地の草叢から小石の草叢に変わって少し行った頃、蒼空が俺に念話してきた。

 付けられてるか。蒼空が言うなら間違いないだろう。野盗や山賊の類いか?


『野盗か?』

『違いますわね。確信を持ったのはさっきですが、気付いたのは平原からでしたわ。それと、相手の気配は人一人に馬一頭ですわマスター』


 なるほど。ならプレイヤーかな? でも、乗馬スキル持ってる人いるかな? 居たとしても少ないだろう。ま、俺見たいに相性よく乗りこなせた奴がいて、たまたま馬をテイムしていたのかもしれないが。一応クルルに伝えよう。


「クルル。付けられてる見たい」

「なに?! 本当か!? 場所は解るか!?」


『左後方少し街道を外れた所ですわ』


「左後方少し街道を外れた所だ」

「分かった」


 俺が端的に説明すると、クルルは返事をしながら反転し駆け出した。


「出てこい! なんのようだ!」


 クルルが叫ぶ声がここまで聞こえる。


「なあッ!? リリィー!!」


 え!? リィーちゃん!? それは予想外過ぎる。俺も行こう。

 馬を走らせクルルの横で止まると、そこには馬に乗ったリィーちゃんがいた。


「あ、おにぃちゃんだ! わ~い!」


 リィーちゃんが嬉しそうに、ばんざーいする。いや! 危ないから! 馬に乗ってのばんざーいは危ないから!


「ど、どうしてリリィーが要るんだ!?」

「おにぃちゃんとでかけるっていってたからついてきたの!」


 え?! この状況俺のせいなの!? ま、一緒に行きたいと思ってくれたのは素直に嬉しいけどね。


「駄目だ! 帰れ! 危ないだろう!」

「ひとりでかえるほうがきけんなの」

「く、なら他の隊員を同行させる!」

「だめなの。てがたりなくなるの」

「不測の事態に備えて多目に連れて来たから大丈夫だ!」

「ふそくのじたいがおきたらどうするの?」

「今がその時だ!」

「わたしひとりをあいてするより、あぶないことがおきたらどうするの?」

「く、その時は━━」

「だめなの! だれかがしんじゃうかもしれないの?」

「く、しかし━━」


 なんでクルルが押されてるんだよ! その理由だと一番危険なのリィーちゃんじゃん。しかしあの歳でこうも理路整然と、クルルと言い合えるリィーちゃんって何者?


「あのな。クルル」

「おにぃちゃんはわたしがきらいなの??」


 く、潤んだ瞳で上目遣いで言われた。あざとい! けど逆らえない。


「何!? トータお前はリリィーが可愛くないのか!?」


 いや、お姉ちゃん? そこじゃないから!? 今丸め込もうとされてるから!


「そうだよ。おねぇちゃん。かわいいいもうとのおねがいきいてくれるよね?」


 この状況をも利用するのか!? リィーちゃん。恐ろしい娘。


「ああ! 何でも聞こう!」


 あ~あ。ヤっちゃった。━━決まりだな。


「ならわたしをつれてってくれるよね?」

「いや? それは」

「なんでもっていてくれたもんね?」

「う、うむ。そうだな。約束は守らないとな。よし! 行こう!」

「わ~い。だからおねぇちゃんだいすき! しゅぱつなの!」


 そう言うとリィーちゃんは俺の隣に並んだ。


「おにぃちゃん。いっしょにいくの!」


 何だかな。ま、騎士の皆も要るし大丈夫か。




 街道を進んで行くとやがて、周辺の景色が山々が聳え立つ緑豊かな渓谷が見えてきた。


「そろそろ南下ポイントだから街道から外れるぞ! たがその前に休息を取る! 各自寛ぐように!」


 馬を止めると隊員が小石を退かして草叢にシートを引き、その上に紅茶とパンを用意し出す。

 にしても為になるな。小石は風魔法で飛ばして水と火魔法で、紅茶を沸かすか。込める魔力の量でなんでも出来るんだな。

 アイテムボックスから兎の肉を取りだして蒼空に渡すと、蒼空は勢いよくかぶり付いた。あ、白夜はもう既に生えてる草を食べ漁ってます。

 さて休憩中何しようかな? とそうだ! このステータス確認しとこ。昨日は見てる時間無かったからほっといたけど、レベルが3上がったんだよね。きっとスキルのレベルも上がってるだろう。


《扇Lv16》《鉄扇Lv1》《水Lv39》《火Lv39》《二刀流Lv14》《蹴りLv11》《投擲Lv12》《切断Lv6》《流しLv4》《舞Lv17》《暗視Lv3》《遠視Lv3》《魔力感知Lv21》《魔力量上昇Lv27》《魔力自然回復上昇Lv27》《魔力流動Lv15》《魔力変動Lv15》《纏いLv23》《チャージLv11》《集中Lv12》《挑発Lv2》《ダッシュLv20》《ジャンプLv17》《浮遊Lv12》《信愛Lv10》《召喚(従魔)Lv特殊》《開封Lv MAX》《解呪Lv MAX》《採集Lv10》《採掘Lv1》《庭師Lv1》《隠蔽Lv15》《鑑定Lv25》《耐神Lv MAX》


 で、ボーナスポイントが9あります。にしても、レベルとスキルに凄い差があるな! 敵との間にレベル差が±5あると、経験値の入りが悪くなるんだって。それとレベル差が±5以内だとしても上位種の敵の場合も同様らしい。それに比べるとスキルは経験値、プラス使った回数だからね。普段から使ってる魔力系がよく伸びてる。

 あ、纏いと鑑定が高いのは、街だけでなく外でも使ってるからです。流石に外だと魔力回復が間に合わないので、流動と変動は行ってません。纏いを選んだ理由は他のより切り札として使える幅が広いからです。

 あとスキルレベルが高いのは【絶望への挑戦者】のお陰かな。蒼空との戦いで倒しては無いけど勝利はしたから一気にスキルレベルが稼げてる。く、この時に職に着いてたら高レベル者の仲間入り出来てた物を。非常に残念です。

 うん? おや? アイコンが付いた。空腹ゲージ? なんだろう?

 ヘルプを使って調べて見たらアイコンが付くと動きが悪くなるらしく、それでもほっとくと死に戻るようだ。なんでも3日間食べないと死ぬんだて。気を付けなきゃ。

 丁度貰ったパンと紅茶を食す。パンはいつも食べてる普通のパンだったが、紅茶の味が凄い! 心地よく葉の香りが鼻を抜けていく。あ、アイコンが消えた。少し満腹度が回復したようだ。


「トータ。鉄扇を求めてるお前に聞くのもなんだが、戦闘には自信があるか? ここから先は油断出来ない敵が増える。危険だと思ったらリリィーの護衛を頼みたい」

「分かった。でもそんなに危ないの?」

「街付近はな。東西南のボスと同じ強さの敵がわんさかいる。だから気を付けて欲しい」

「うん。分かった。用心するよ」


 忠告受けたけど、各エリアのボスと戦ってないからいまいちピンと来ない。ま、戦ってみて判断すればいいだろう。無理そうならリィーちゃんの護衛で身を盾にして守ろう。


『マスター。考え過ぎですわ。そんな強い敵なんか、西の洞穴に行かなきゃここら辺ではいないですよ』


 逆を反せば西には要るんですね。強敵が。西に行く時は洞穴に注意しよう。


「たべおわったの! おにぃちゃんわたくしのごえいなの?」

「そうだよ。リィーちゃんを守るからね。うん?」

「やった~なの! おにぃちゃんがわたしをまもってくれるの! ありがとうおにぃちゃん。だいすきなの!」


 子供って凄いね。自分の気持ちをストレートにぶつけられる。なんだか嬉しくなってきた。


「よし! そろそろ片付けて出立するぞ!」


 クルルが声を張り上げると、団員が一斉に片付けを始める。俺も蒼空を懐に入れて白夜を回収し、馬に乗る。


「皆馬に乗ったな? ではここから先は陣形を変えて、トータとリリィーは後方に回ってくれ! 先頭は私が! 殿はロザとレナで頼む!」


 そうクルルが指示を出した途端に、直ぐ様ロザとレナが俺とリィーちゃんの後方に下がり、前では他の団員が陣形を作る。


「では出発!」

「おお!!」


 合図と共に馬が一斉に走り出した。

 さて、後は南下するだけだけど、ここからが本番かな。

 俺も改めて気を引き締めると、隊列に遅れないように馬を走らせた。

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