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モノクロイラストレーション  作者: 峰白麻耶
5/6

準備と新しい仕事

ピーピーピーピーピーピ


「んん。」


体を2、3度捻ってから布団から起き上がる。しばらくボーとしてから学校の支度を始める。起きるのは何時も7時50分。毎朝昨日みたいなギリギリに挑戦と言うわけではない。何時もはもう少し余裕を持って家を出てるし朝ご飯もちゃんと食べる。制服と今日の授業道具が入ったバックを持ち1階に行く。制服をソファーに掛け、リコモンでテレビを付ける。食パンを取りトースターに入れ焼いてる間に冷蔵庫からウィンナーと卵と作り置きのサラダを出す。サラダはそのまま器に入れウィンナーと卵はフライパンで焼く。ココアも飲むのでお湯を沸かしながら、準備する。10分もしないうちに出来上がり、テーブルに持って行きゆっくり食べる。食べ終わったら皿を片付けて洗い、テレビを消して家を出る。


何時もどうりの道を自転車ではなく歩いていく。自転車は……うん。疲れるから緊急手段だよ。主に徹夜明けの。ひとりでゆっくり歩いてると


「白くん」


そう呼ばれて振り向くと幼なじみである神園なごみがいた。栗色の髪が背中の中盤まで伸びてる。そいつは左手に本片手に歩きながらよっと右手を上げる。


「よう、なごみ。」

「おはよう、白くん。僕に会えなくて寂しかったかい?」

「いきなり何を言い出すかと思ったら。会えなくてって今年は同じクラスだろ。」

「そう言えばそうだね。幼なじみなのになんだかんだ今まで同じクラスになったこと無かったし。」


そう。こいつとは小さい頃、幼稚園からの付き合いだが高2まで同じクラスにはならなかったのだ。なのに疎遠にならないのは人間関係は不思議だ


「そう言うなごみはどうだ?寂しかったか?」


意趣返しになごみにも聞いてやるともじもじしながら


「それは寂しかったよ。」

「おっそうなのか。」


というと表情一変舌を出して


「うん。僕の売り場の売上が下がるし。」


サラッと言うがこいつはこういうやつだ。こいつはクラスでは文学少女的な雰囲気を出してるが実際はこれだ。実際文学少女に変わりわないんだけど。女子は怖い。


「おまえの売り場は俺頼みかよ」

「他の人も結構買ってくんだけど、白くんが一番なんだよ。職業柄色々買うでしょ?」


ついでにこいつは俺がイラストレーターをしてることを知ってる。


「まあ、俺も好きな絵師さんやら作者がいるから。あと面白そうなのは基本買うし画集も買うし。それでだろう」

「ほんと重症だね。手が着けられないよ」


やれやれと首を振るがこいつも同類だ。特にラノベを買いまくる。


「そういば、赤桐先生の本来月最終巻だけど発売してらどうするの?仕事あるの?」

「一応コミックの方がまだ終わってないから。」

「そうだ。コミックの方もやってるんだったね。ラノベの方に気を取られてたよ」

「おい、原作厨」

「仕方ないじゃん。でもマンガもいいんだよ?それは分かってる。」

「はいはい。でも多分イラスト仕事も回ってくると思うよ。白石さんがまた連絡するって言ってたし」

「そっかー。暇ならバイト一緒にできて見島本屋をオタに地味に人気なんて言わせないのに」


ぷんぷんと腕を組ながら怒るのを茶化しながら歩く学校に着く。


「そう言えば、今日は文芸部行くの?」

「どうだろ?あいつ等の行動しだいだな。何しでかすか分からん」

「確かにそうだね。二木君も鳴海君も何をしでかすか分かったもんじゃないしね。」

「まあ、もう手遅れ何だけどそれ以上悪化しないように」

「手遅れって?」

「新入生歓迎会であいつ等が本気をだす。」

「あっそれはヤバいね。あの変人2人が」

「変なことばやらなくて良い。面白いことは歓迎だが」

「白くんも大概だよ。それだから変人の集まりって言われるんだよ。元は先輩から始まったけど見事に継いじゃってるじゃん」

「それがうちの部の看板で特性だからな。仕方ない」

「諦めちゃダメだよ。」

「大丈夫。誰か入ってきても1人か2人はまともなやつがいる。これは体験談と言うより実体験」

「今ね……」


ちょうど区切りよく教室に着き、めぐりと離れる。席が反対出し、目立つ(うるさいやつとも言う)でなければ女子と話すのはだいぶ目立つ。スッとスイッチを入れ替えて席に着けば、変人じゃなかった祐と駿が来た。


「よう。朝から仲睦まじきようで」

「……爆ぜろ」

「はあ、報酬は無しで良いか?」

「何時もの決まり文句だろ?」

「そうそう。爆ぜるのはあっち」


と駿はこのクラスのリア充グループを指す。いかにも青春って感じの風景だ。青春をバカ騒ぎする事と勘違いしてなければいいが……。授業中五月蠅いとほんとにシャーペン投げたくなるよね。


「麻白。これ昨日の写真現像した。」

「ありがと。これで今日の授業は背景をやれるな」

「手伝うことはあるか?」

「無いよ。お前等も作業やれよ。バレないように」

「分かってる。隠密行動は得意」

「慣れてるから問題ない」


何ともいらない頼もしさだった。



授業中の内職もばれずにすみ昼休みとなる。クラスが変わったとしても余り変わることはない。クラスに知り合いが居なければ誰かと話す必要が有るがこの2人がいる時点でその必要はない。皆思い思いの場所、部室や教室はたまた中庭に行く。


「麻白。購買行くぞ」

「早く行かないと売り切れる」

「今日は弁当何だけど」

「………」

「………」

「おい、それはまさかお前まさか。」

「愛妻弁当?」

「シバくぞ。たまに俺が作って来てたんだしわかるだろ」

「あっ、そうか。ついてっきり朝にちょっと作りすぎたからあげるとかというイベントが合ったのかと………コロスゾ」

「手作り弁当イベントが合ったのかと……コロス」


2人は目に殺意を実らせる


「それ、お前等の願望だし、めぐりはそういう感じじゃないぞ。それにあいつ料理進んでやるタイプじゃないし。たまにふらっと作れば失敗したやつの処理手伝ってだぞ。」

「「それでも羨ましいんじゃーー」」

「例えば、見た目カレーなのに味はビーフシチューって言う不思議料理でもか?」

「…………」 

「おかしいと思って料理現場見たら色んな物ぶち込んでたんだぞ?隠し味とかいって。止めても大丈夫とか言って続けるし。それでビーフシチューになるって可笑しいだろ。一周回るどころじゃない。何周もしてどっか行っちまってるよ。自分の味覚が可笑しくなったのか疑心暗鬼になるし。」

「………」


2人はさっきの羨ましそうな顔から同情の顔になる


「と言うわけだ。」

「なんか苦労してるんだな」

「ご愁傷様」

「駿は手を合わせるんじゃない。ほら、行くぞ。」


こんな、昼の一幕もいつも道理だ。弁当を作らない日は、購買で菓子パンを買い、部室で食べる。今日も作業し、弁当を食べまた、授業とすんなり終わる。昼に話し合ったが授業の内職と2人の睡眠時間を削る頑張りで割と余裕があるとのことでストーリーをつけることになった。これは俺の仕事になったが何となくふと思いついた人間に成りたかった棒人間を見かね神様は試練を出す。それをクリアしたら人になれる。と言う話だ。落ちは夢落ちで入学式で緊張していた主人公が見ていた夢にする。こんな、感じはどうと言ったらそれで良いんじゃないとの返答を頂き決定。ストーリーはマンガ風にしてアクションの前後に挟むことになった。これは俺と祐で担当。俺の仕事の背景は一枚が終わった。このまま行けば何とか終わるだろう。


そう話し合った所でチャイムが鳴り放課後は各自己の任務に励むようと祐からのお達しが。俺らはお前の部下か!そうして授業、帰宅。そしてこの声だ



「やっほーましろくん。元気にやってる?おねーさんは最近疲れてるかのかな?まぶたが重いよ」

「それは寝てないからでしょ」

「寝る?……そう言えば人には寝るって言う行為があったのだそれが原因なのだ」

「あれからまだ寝てないんですか」

「絶賛記録更新中なのだ。ここまでくると人の限界が知りたいのよだ」

「もう、普通の人だったらとっくに限界越えてますよ」

「………そうなの?徹夜って普通だと今まで思っていたのだ」

「それは可笑しいです。それで仕事のやつですか?」


いい加減話を変えないとまた、だらだらと話が続くのは知っている


「そうなのだ。ましろくんにはまた、赤桐先生の担当して貰うのだ。ファイト!」

「え?」


また、赤桐先生?え?


「おめでとうなのだ。今までの君の頑張りが認められたよ。有名な作者の作品を2連続。君もこれで有名人の仲間入りなのだ!」

「却下は?」

「無理なのだ。編集長も本人も超ノリノリで説得頑張ってと送り出されたのだ。拒否権はないのだ。」

「まじですか?」

「マジもなにもオオマジなのだ。赤桐拓摩とあまざけコンビの新作って感じで売り出すことになってるし」

「コンビってそんな風に言っていいんですか?怖いんですけど。他のイラストレーターが」

「大丈夫なのだというより、自分を過小評価しすぎなのだ。コンビは実力が釣りあってこそ。私が認め、編集長も認めた。それで問題ないし、異論があるなら君よりうまい絵を描いて認めさせろって話なのだ。」


見た目がロリ声もロリっぽいのにカッコイいことを言う


「はあ。まあ、その話は受けますけど」

「………よかったのだ。こっちはマンガがの方の最終巻と同時に新作を発売したいのだ。大丈夫?」

「前みたいにならなければ」

「あー。うん。あそこには派手にやらないと思うのだ。多分きっと。」


説得力が全くない


「こっちも部活ありますから、赤桐先生に次の作品こそ締め切りちゃんと守れって言ってくださいね。

「それで守ったらこっちの悩みの大半は消えるのだ」


似た人が他にもたくさんいるのかよ


「取りあえず、コミックの最終巻の前になったら細かい次の詳細を教えるのだ。バイビー」


プツンと電話が切れる。毎回疲れるのはなぜだ?


まあ、いい。終わらせる物を終わらせよう。そう思い、コミックの作業と背景を描き始める。建物を優先して描く。桜坂は建物ではなく自然の物なので実際に見て描きたい。そう考えるも桜坂は入学式に描くことにしよう。2年、3年はその日休みなのだ。その日に一気に終わらせられればいいかな。















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