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モノクロイラストレーション  作者: 峰白麻耶
3/6

作戦コード後輩計画会議

「ただいまより。かわいい後輩に先輩と呼ばれたいい計画通称後輩計画作戦会議を行う。」


俺は作戦コードを決め本題に入る全員が肘をテーブルに置き手を組み真面目な雰囲気を出してる中俺は


「駿、結局何を作るんだ」

「…………


不思議そうにこちら見ているこいつもしかして


「何も考えずに言いうなよ」


「それはそう。それを今から考える。そのための会議」


確かにそうで珍しくまともな反論だ。

しかしだ


「発案者がノープランてどうなのよ。祐は?」

「あぁ。目的ばっかに目が言って内容を考えてなかった。」


その考えにはいたらなかったとばかりに目を伏せ自嘲気味に笑う。こいつバカなのか頭いいのかどっちなんだよ。ついでにどんだけ後輩キャラ好きなんだよ。真面目に取り繕ったさっきの雰囲気が一気に霧散する


「さっそく俺に仕事が……。仕方ない。いつものことだ。新入生歓迎会と言うよりまず入学式は何日だ?」

「……明後日。新入生歓迎会は来週の月曜日。5現後。」


何でカレンダーを見ないで言えるの?そんなに後輩が入ってくるのが楽しみなの?


「つーことは後は何を作るかによるが、ちょっとハードだな。」

「……問題ない。授業中のバレない内職の仕方は心得てる。」

「必須スキルだよな。それは。」

「ああ、同人誌が間に合わない時はよくやった。集中し過ぎると危ないんだよな。」


赤桐先生のハードスケジュールで授業中にキャラデザ考えながら授業を聞くと言うことをやったのが懐い。あの時は左でイラスト右で板書と苦労したのだ。そして全員が授業をまともに受けてないのも問題だ


「よし、それなら全員でうまく回せる。全員絵を描けるのが幸いだな。だが見つかると恐らく没収。つるし上げだ。一年間クラス全員から痛い視線を向けられる。しくじるなよ。」

「……俺はそこまでではない。」

「お前には画像編集で働くからいいんだよ。」

「なら俺が描いたラフを駿がちゃんと描き直すのはどうだ。」

「よし、それでいこう。」

「………何か重要なことを忘れている。」


はて?重要なこと?何かあったか?


「やべ、申請書書いてなくね?」

「「それだ!」」


教員練にある職員室に行き申請書をもらいその場で書いて渡す。時間は10分以内と言うことを聞き直ぐに戻る。全員がまた座り、落ち着くと裕は


「制限時間10分か………」

「……長い」

「でも以内だから別にそこにこだわらなくてもいいだろ。オーバーしなければいいんだ。予定より早く終わっても繰り上げて次が入るって言っていた」

「かつ、可愛い女の子の後輩が入ってくるような作品か。どうすりゃいいんだ。」


全員が唸りながら考える。可愛い女の子に妙なアクセントがあったが、用はこの文芸部に興味を持てばいい。イラストを使ってショートストーリーでも作るか?でも時間がない。そうやって考えを巡らせると突如駿が


「……棒人間アクション」

「なんだ?駿」


不思議そうに駿が呟いた単語に興味を示す祐。


「俺が投稿してるごうつべでそんなのを出してる人がいた。棒人間がおもだしイラストが多くでなくて都合がいい。」


裕はふむふむと頷きながら


「時短の意味ではそれは楽だが、それじゃ意味ないだろ。アクションじゃ女の子の後輩が入らない」

「ふむ……」


確かに一度見たことがあるが、面白いけど女の子が入りにくいよな。棒人間だし。でも時間がないからそこは仕方ない。だったら他の所に力を入れよう


「なら、背景に力を入れれば?それなら手抜きじゃない。ステージを作ってそれごとに背景を変える。そうすれば描くのは5枚ですむ。」


祐は一度思案顔になると1つ頷き


「それいいな。ならそのステージの背景は学校の通学路だ。まだ1年はこの辺を知らないから、周辺紹介の意味も込めてだ。学校をラストステージにして、桜坂、商店街の店でも題材にしよう。そこの売り物に関連付けるステージを作る。あとは、良い子は真似するなって言う注意書きとさり気なく店のアピールでも入れておけばいい。


「………スタッフロールにイラストも描けることをアピールすれば大丈夫。絵は任せた。」

「今、体よく仕事を押し付けられたら気がするんだけど」

「気のせい。祐と麻白の絵に並んで描くほど自信ない」


何だろう。誉められてるんだけど仕事は嫌だと思うこの気持ちは。俺は働きすぎではないか?いや、絵を描くのは好きだし良いんだけどほら、俺の体力とか睡眠時間が色々ピンチ何だけど


「おい、仕事分担決めるぞ。棒人間のアクションは俺、駿。背景は麻白、映像編集は駿。スタッフロールのイラストは俺と麻白で合わせて4枚でいいか?」


こいつ俺が色分からないの知ってるのに何言ってるんだ?

「俺がアクションだろ?俺は家のパソコンないとカラー描けないぞ。」

「んなこたぁーわかってる。今回は時間がないから色はなしだ。だが、色が見えない?そんなのは関係ない。色が見えなくてもお前はカラーイラストは描ける。確かに風景だったら色があった方が分かるだろう。でもな、俺は色が必要だとしてもお前に描いて貰うぞ。色は俺がやればいいんだからな。俺に出来ないことはお前等がやる。

祐はバリバリとせんべいを食べながら駿に振る。駿は中までチョコが入ってるあの菓子を食べながら


「その通り。でもお礼にエロい絵を1枚描いてくれ。それで俺は頑張れる」


キリッとした表情で言う。内容と顔が合ってない。


「おい、それはずりーぞ!なら俺も可愛い後輩キャラ描いて貰うぞ!」


そう言いながら俺に要求する2人は揃いも揃って笑っていた。1つため息をつくと


「お前ら……やっぱりそろいもそろってバカだな」

「「何を今更」」


どや顔で言われても困る。それと


「エロい絵と後輩キャラは後報酬な。」


この一言で2人の顔は悲しげに染まった。


「ほら、作業するよ。時間ないからね。変わりにエロカワイイやつ描いてやるから。」

「よっしゃ!やるぞ!」

「………明日からじゃない……今日本気だす」


その人ことで表情がやる気に満ちるのだから全く持って現金な奴らだった。


そこからぐだぐだと話が脱線しやっと本題にまた戻り始めると


「今から別行動な?」

「何で?」

「……俺らは先にアクションを作る。駅を始めにしてそこを通常にして後は特別ステージ。特別ステージはもうどこをステージにするか決まった?」

「どこか………。見島本屋、川見文具、ゲームラボ、桜坂、フェアリースイーツ、ってところか?」


少しかんがえて妥当なところをチョイスする学校近辺は個人店が多く少し離れないと大型ショッピングモールはないためこんな風になる。前半3つが俺の趣味、後半はあとは有名どころだ。


「……いいと思う。フェアリースイーツは回復のボーナスステージ。ゲームラボは中ボス。」

「決定だ。絵をやってこい。実物みた方が上手く描けるだろ」

「カメラ貸してくれないか?建物は写真で撮って描くから。」

「………はい、カメラ。」


どこからともなく一眼レフカメラを出す。こいつは何次元ポケットを持ってるのか?あと何でこんな機材持ってんだ?


「そこで一眼レフのいかにも高そうなやつ渡すのやめてくれない?」

「………画質は大事。性能は保証する」

「そういうことじゃないけど?もういいやいっても無駄だ。行ってくるよ。部室には戻らないからね。」

「了解。俺らはどうするか。一度戻って飯くってから俺の家で描くか?おまえも道具取ってきたいだろ?」

「わかった。エロい絵のため。本気だす。今日で通常ステージのアクションは完成出来るようやる。」


荷物をまとめ部室を出るとき、時間は12時だった。家に帰ってご飯。準備して1時頃に出るかと考えて扉を閉めた。校舎を出て自転車に乗り、桜坂と店を抜け家に着く。部屋に戻りブレザーとズボンをハンガーに掛ける。白のTシャツの上に赤のカーディガンを羽織り黒のコートをベットに投げ、引き出しから鉛筆と消しゴム、スケッチブックを出し、駿から借りたカメラを肩掛けのバックに入れる。コートを拾い上げ1階の冷蔵庫から菓子パンを取り袋を開けて食べる。ソファーに座って食べながら、録画した深夜アニメを見る。アニメが終わるとテレビを消し外に出る。効率充実で近いフェアリースイーツ、見島本屋、川見文具、ゲームラボ。桜坂は最後に行き、軽い下書きを済ませて帰ることにする。



始めにフェアリースイーツに行く。ここは俺が甘味を求めて入る店でもある。ただ、うちの高校生、特に女子も良くこの店に来るので基本的に夕方頃に来る。何か買う気が無くてもやはり軽く気分は良くなる。甘い物は大好きだ。特に締め切りが迫ると食べたくなる。そうしてフェアリースイーツ前につくと1人の少女と小さな男の子がいた。男の子はどうやらぐずってるようで少女があやしている。姉は大変だなと思いつつここは後回しにして次にでも行こうかと思ったが男の子が「お母さんどこ。」という囁くような声が聞こえた。ここで俺はあの少女は姉弟ではないと感じた。姉なら親を探すとかの行動にでるだろう。動くいて親を探すと言う行動をした方が気は紛れる。そのはずなのに何故か少女はあやすだけ。耳を傾ければ、僕と言う言葉で呼び掛けている。


その光景を見ているうちに俺は昔の自分を見るような錯覚がした。



忘れることがないあの日。両親が死んだ日。あの時の俺も状況が違うがこんな感じだろう。


自分の部屋にうずくまり、生まれたこのの俺を抱く両親の写真を手に持ちながら……何日も何日も泣いている。泣いている俺にはいつも親が絵を描いてくれた、面白い話を聞かせてくれた。こうして泣いていればお母さんが絵を描きに戻ってくるかも知れない。お父さんが面白い話を聞かせに戻ってくるかも知れない。そう思っていた。だが、今まで戻ってこないのだ。


だからだろうか。ああして子供が泣いていているのを見ると自然と体が動くのだ。そして俺は男の子の相手をしている少女に声を掛ける。















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