夜明けの告白
ヘッドフォンを耳に
眠れない夜を過ごしてた
君のことを考えてた
そしたら、突然、君からの電話
「振られちゃった」って
泣き声で笑って言うんだ
君は奴が好きで
僕は君の幼馴染
「ただの友だちだよ」
そうやって、君は僕を奴に紹介してた
奴は不満げな顔して、僕の顔舐めるように見て
「そうなんだ。お疲れさん」
って、馬鹿にして笑った
そうさ、僕の思いは
君に何にも届いてなくて
平気で、恋の相談なんかを僕にしてきて、
こうして、振られた電話まで……
正直、ちょっとイラッとするよね?
午前三時
外はまだ夜
君の泣き言、僕はうんざりして
「君を泣かせるなんて、酷い奴だ!」
そしたら、君はちょっと黙って
「一番、私を泣かせたのはだれだっけ?」
「嗚呼、それは僕ですね」
開き直って、指でペン回し
君の人形、壊したのは僕
顔に落書きしたのも僕
ちっさいころから
君の泣き顔の
その原因は僕のイタズラで
今さら、反省して謝っても
許してはくれても
どうせ、友だち以上になれない
午前四時
君はちょっと機嫌良くなって
小さい頃の思い出話とか
僕のイタズラとか
話して二人で笑ってた
夏休み、君と虫取りに行って
僕が木から落ちたこととか
君が芋虫取ってきて
僕の方が泣かされた
そんなことも、あったよね
やっぱり、僕は君と話すのが好きで
言えないよな、本当の言葉
午前五時
外は薄明り
チュンチュン、小鳥が歌ってる
「ごめんね、長電話」
「別に。気にしてないよ」
電話の理由が、振られた話じゃなければね
「ありがとう! ほんと、一番の親友だよ!」
君が笑って言う
残酷な言葉
僕の中で何かがプツンと切れた
胸が詰まって
苦し紛れに
「君が好きだよ」
掠れた低い声、振り絞って告げた
朝日が町を照らす
「え、あ……」
君のどぎまぎした声
きっと、顔を赤くして困ってる
想像したら、ちょっと笑えて
そんな、僕だって
あたふたしてた
さて、これからどうしようか?