第9回
「いてぇ~殴るこたぁないだろ」
「ふんッ」
さて、気を取り直して私達も小傘探しを開始する。今日は妖怪の山は晴れ。相変わらず少し遠くを見ると屋台があり、昼も夜も構わずお祭り騒ぎだ。
「にしても早苗のヤツ、なんであんなに挙動不審だったのかしら」
「アイツいい子ちゃんだからな、神奈子に言われてイヤイヤ探してるんだろ?」
「神奈子ならまぁ、しそうね……」
お互い納得する。
「まあ、小傘は本当に縁結びの才能があるかもしれないから、目をつけられても仕方ないわ。直接効果があるわけじゃなかったけど、何かしらきっかけを作ってたし、ナまさにナイスアシストだったわ!」
「いや、酒臭くて逃げてただけなんだけどな…」
さてさて、小傘探し再開!早苗たちの様子だと妖怪の山にいることは間違いないようだ。
「小傘をおびき寄せる方法って無いのかしら」
「小傘が好きなことは、驚かせることらしいな」
「驚かせることをビジネスに…」
「こらこら、そんな話はしてないぞ」
「いや、あったわ!あの手を使いましょう!」
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数日後、屋台の中にそびえ立つ不気味な屋敷、の絵が書いてあるハリボテがそこにはあった。
「こんなんで小傘来るかな…」
「彼女の生きがいがここにある!と言っても過言では無いわ!」
「まあ予算はほぼ掛けてないし、やってみる価値はあるわな」
不気味なBGMと共に、私が脅して連れてきたザコ妖怪を詰め込んだこのアトラクション。
ふふ、我慢できるかしら?
「ひょこ…」
水色の服を来た可愛らしい妖怪が現れた。いきなり獲物が引っかかった。単純すぎよ小傘…
「おけのはにかしてさい…」
何意味の分からない呪文を読んでるんだと思ったら、看板を読んでいるみたいだった。そこにはこう書かれている。『お化けの方は自由に脅かして下さい』。なるほど…小傘は漢字読めないのか、それは誤算だった、私のバカ…
「(霊夢、今のうちに捕まえるか?)」
「(いえ、早苗と神奈子が捕まえられない程度にはすばしっこいヤツよ、ここは慎重に行きましょう)」
「(そうか、って霊夢、その格好は!?)」
「(見てなさい…)」