第8回
「あとでコンビニに寄るわよ」
「なんだかんだ霊夢コンビニ使いこなしてるよな」
「ご飯も作らなくて済むし」
何でも置いてあるコンビニは、本当に便利だ。人を駄目にする。妖怪も駄目にしてる。そのうち宅配とかもしてくれたりすれば助かるのに。まあ、どうやって注文するかが問題になってくるけど。
「せめてもう少し近づければ、ふたりとも割り出せたんじゃないか?」
「依頼人もサングラス外してたしね、でもアンタも近づき過ぎたらバレるって言ってたじゃないの!」
「ま、まあそうなんだけど…」
彼女を見つけるいい方法はないのか。というか報酬とか以前に小傘はどこへ行ってしまったのか。紫の時みたいに、また変なことになって無ければいいけど。
「霊夢、もう考えるのはやめてあの中有の道にもう1度行こうぜ。どうせ酔っぱらいっぽかったし、またいるよ」
「それもそうね」
こうして私達はまた、妖怪の山の裏の中有の道に向かった。
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「待ってください〜~!うわ~~ん」
「早苗、逃げられたようだぞ」
「またですかぁ…」
辿り着いてみると、そこには守矢神社の東風谷早苗と八坂神奈子がいた。
「おっす早苗。久しぶり」
「あら霊夢さん、先日はありがとうござ…じゃなくてお久しぶりです」
「?」
少し様子が変な早苗。まあ同じ巫女で私が少し先輩に当たるから、テンパってることなんて良くあることなのだが。まあライバル神社同士だが、敵意はもう無いようなので今は上辺だけは仲良くやっている。
「さっきから何探してるの?」
「い、い、い、いえ何も探してないですよ?」
とぼけるのが下手過ぎる。
「どうなの?神奈子」
「お前らも知ってるだろ?色々噂になってる傘だよ」
「え、お前ら小傘を追ってるのか!?」
急に横から割り込んでくる魔理沙。
「元々あの傘は私達のだぞ!横取りしようってのか!?」
「いや魔理沙、私達のって…アイツはああ見えても妖怪なのよ?」
魔理沙にくだらない説明をしてるうちに早苗と神奈子は行ってしまった。
「なるほど、考える事は一緒、守矢神社出張所…と言ったところかしら」
「なんでも金に結びつける霊夢と一緒にすんなよな…」
「私は博麗神社が幻想郷に幸せを与えて、そしてありがとうの気持ちをもらって生活してるの」
「見返り目当てで、戦ってるんだな」
「正義だけでご飯は食べられないわ!」
「霊夢そのものが正義ってのも、納得いかねえけど…」
「うっさい!」