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第06回
咲夜は仕方ないですねという風に、同僚に目線を送り、おしおきタイムは始動した。
にとり「いただきま~す」
にとりがカレーを口に運ぶ。
にとり「(ん?)」
カレーをスプーンで頬張ったつもりが、スプーンの中には何も入っていない。
にとり「あれ?カレーは?」
気を取り戻して、もう一度。
にとりの口「(かつっ)」
聞こえたのは、にとりの歯と歯が噛み合う音。
にとり「ひ、ひぇえ」
咲夜「どうかされましたか?」
にとり「な、なんかカレーが。食べようとしても、口の中で消えるんだよぉ」
咲夜「そうなんですか?」
にとり「うーん……」
バイトの同僚「(ナイス!咲夜さん)」
遠くで、同僚が小さく親指を立てる。
にとり「た、たたりじゃ!天狗の仕業じゃ~!」
にとりが騒いでいる。




