第02回
早苗「霊夢さ~ん、私の制服早く返してくださいよ~!」
霊夢「ああ、悪かったわ。アンタの家で着替えていい?」
早苗「いいですけど……」
霊夢「ついでに、私の服ってこの世界だと浮いちゃうらしくってね。この世界の普段着みたいなの、貸してくれないかしら?」
早苗「ああ、でしたら私着なくなった服が何枚かありますので、霊夢さんにあげますよ」
霊夢「そりゃ、助かるわ」
こうして、早苗の家に向かった。
◆◇◆
霊夢「記憶が完全にないアンタに説明しても無駄かもしれないけど、とにかく私達は異変に巻き込まれてるわ」
早苗「異変?」
霊夢「そう。アンタだってよく私と一緒に戦ってたじゃない?」
早苗「戦い?ゲームか何かですか?」
霊夢「いや、まあゲームなのは確かに合ってるんだけど……」
まったく話が通じない早苗に対して、やきもきする霊夢。ひとまずこの話は置いといて、さっそく早苗が用意してくれたワンピースを着てみる霊夢。
霊夢「いいわね、これ」
早苗「とてもお似合いですよ」
霊夢「動きやすいし、戦えそう」
早苗「良かったです~!」
少ししてから外を見つめる霊夢。目を瞑って、体全体の神経を研ぎ澄ませる。すると、体が一瞬だけ宙に浮いた。
早苗「あれ、もしかして霊夢さんって……」
霊夢「そうよ、思い出した??私は博麗神社の霊夢、アンタは守矢神社の……」
早苗「もしかして、マジシャンさんですか?この間テレビで見ましたよ!人が宙に浮くんです、それってどうなってるんですか?誰にも言わないですからタネを教えてほしいな~!」
霊夢「はぁ……」
霊夢はほとんどの能力を失っていた。おそらくこの外の世界にいる幻想郷の住人すべてがそうであろう。
霊夢「ひとまず、もうちょっと探索してみるわ。ありがとね、早苗」
早苗「いえいえ、私は困ってる人が見過ごせないだけなので」
霊夢は自宅へ戻ることにした。そもそもその自宅というのも彼女にとっては違和感だらけなのだが。
霊夢「外の世界に飛ばされて大変なはずなのに……特に変なことも起きないし、誰も困ってない。むしろ困ってるのは、もしかして私だけ?」




