第02回
「何やら、フラン様が作っていたクッキーをレミリア様が食べてしまったとか」
「あぁ、食べ物の恨みは怖いわよ」
「そうだな、私も昔霊夢の家のせんべん丸ごと食べちまって、半殺しにされたっけなぁ」
「いや、半殺しはさすがに言い過ぎだから」
「いやいや、あの技当たってたら確実にピチュンしてたから」
記憶にない。
「記憶にないわ」
「まあ、やられた側の方が記憶ってのは残るもんだからなぁ」
「それよりも、フランがクッキー作りとか、珍しいわね」
「確かにな、お子様だし、驚きだぜ」
「まあ、女の子ってのはいつの間にか大人が見てないところで成長するものだしね」
「確かにな、女ってのは侮れないぜ」
「まあ、あんたも女だけどね」
「自覚があまりない」
「そう」
まあ、くだらない話はいいや。咲夜の話が続く。
「話を戻しますよ。それで、フランは私にクッキー作りの方法を聞いてきたんです。どうして急にと私は思いましたが、これをきっかけにフラン様にも趣味が増えたらいいなと思いまして、張り切って教えました」
「ふむふむ。咲夜のクッキーは食べれるのか?」
「え?あ、はい。どうぞ。良ければ」
そう言って、咲夜は手作りのクッキーが入ったバスケットがあるテーブルまで案内する。
「どれどれ~?」
魔理沙が味見をする。
「おお、美味しいな。生地がしっとりしていて、それでいてベタつかない。まるで手作りだとは思えないぜ」
「ありがとうございます」