第26回
「あらら、バレてたか」
「うーん、なんとなく妖夢なら、そういうことしそうな子だから。想像はついてたわ」
そして、部屋にあるひとつの簪を見つめる幽々子。
「これ、綺麗ね。幽々子の?」
「いえ、私のじゃない。誰かの忘れ物」
「へぇ、誰の?」
「さぁね」
……なんか変な空気にあった。聞いちゃまずいことだったかな。
「……そ、そっか」
「霊夢」
「ん?」
「この幻想郷は、私には狭すぎると感じるわ」
「まあ、ちっぽけだよね」
「誰かと争ったりすると、その争った人と親しい人がいて、その人が私と親しくて」
「ああ、あるある」
「敵の友人は、私の友人でもあり。また、私の許せない人は、私がどんなことをされたって信じたい人で」
「……なんか、あったっぽいわね~」
「まあね」
「遠ざけて生きたいと思っても、距離が近すぎて。だからゲームの世界に閉じこもってたくなっちゃたんだと思う」
「まあ、生きてればいろいろあるわよ。私だって長年主人公やってると、いろいろと気まずいこととか、立場とか悩むことあるから」
「へぇ、どんな?」
「そうね。私は幻想郷の平和のために戦ってるのか。それとも異変を解決して生計を立てるために、悪いヤツをやっつけてるのか。自分としては、まあ自分の好きな幻想郷をぶち壊す奴らがいたら、放置しておけないから戦うんだけど、それを感謝してくれる人や妖怪。そんな人たちとした小さな約束。長年やってるとそれらに小さな矛盾が生まれたりなんかするわけ。ね?悪いヤツの中にもそれなりに理由があって戦ってるやつもいれば、弱さゆえに、悪気はなく悪さをしてしまう者。いろいろあるのよ、生きてると」
「そうね、生きてると、色々あるわね。お互い」
「そっかぁ。まあ、あんた死んでるけどね、もう」
「ふふ、そのツッコミを待ってたわ」
「元気じゃない!!(笑)」
「うーん、そうね。どこかで聞いた歌にもあったけど、時間ってのは優秀みたいで。少しずつだけど、元気は出てきた」
「お団子をのんきに食べてるアンタが懐かしいわ」
「それが私のイメージ?」
「多分そうね!そんなアンタが好きだから。そんなアンタに戻ってほしいなぁ~なんて」
「そっか、そんなリクエストされたら……ちょっと頑張ってみようかなって、なりそうかも」
「うん!頑張りなさい!」
こうして、他愛のない話は続いた。結局詳しい話は聞けなかったけど、まあいいわ。
というわけで幽々子の件も一件落着。さて、神社に帰るか~と思ったが途中で魔理沙に会った。
「おーーい!霊夢。紅魔館の様子がなんか騒がしいらしいぜ!ちょっと覗きに行こうぜ!」
「はぁ、また何かあったのかしら……」
今日も幻想郷は騒がしい。
次回、残響は鳴り止まずに続く。




