第23回
「いやぁ、なんかもうね……いろいろ疲れちゃってて」
そして、無言になる幽々子。そこに紫は言った。
「まあ、あんまり聞かないでやってよ」
「なんで?」
「うーん、人には言いたくないこともある、ってことじゃない?」
「でも妖夢が」
そして幽々子は言う。
「特に妖夢には知られたくないから……」
すると、妖夢は言った。
「(幽々子様。私が今まで幽々子様が仰りたくないことを聞き出そうとしたことありましたでしょうか?私は幽々子様の警護役にすぎません。幽々子様が優しくしてくださるから、日々少し甘えてしまったり、生意気なことも言ってしまうこともありますけれど。と、とにかくですから安心して元の世界へ戻ってきてくださいませ)」
「妖夢……」
「そうね、幽々子。アナタさっき話してたら落ち着いてきたとか言ってたじゃない。そろそろ帰ってあげなさいよ」
「でも、うーん」
「まあ、私もキノコ目的でこのゲームに連れ込んだけど。話してたらだいぶ心も穏やかになってきたんじゃない?ひとまず、この世界を終わらせるわよ」
「え、ちょ、ちょっと待って!」
幽々子の慌てた声を無視して、紫はスペルカードを取り出し、呪文を唱え出す。すると急に世界は輝きを放ち、目の前が真っ白になった。
◆◇◆
気が付けば、そこは白玉楼の居間だった。元の世界に戻ったのだ。




