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第11回
天の声が聞こえてきた。輝夜だ。
「でもさぁ……」
「(心配しないで、多分このイベントのあと、娘の親から助けを求められるから、それに従っていけば、幽々子は取り戻せるわ)」
「なるほどね」
そうと分かればこっちのもの。私は兵士と幽々子の後ろ姿を見守ることにした。娘の親は泣きじゃくっている。
「ぉぉおん、ゆゆこ~~っゆゆこぉぉぉ」
さすがに同情してやりたいが、これはゲームの話。大丈夫、私が救ってあげるから。
「しくっしく、しくしく…」
「大丈夫?」
「しくっし、しっししし、くっくっく…ふふは、ふはは」
「え?」
さっきから泣いていると思っていたが、この親父もしかして、笑っている?
「くくく、娘がいなくなってせいせいしたぜ」
「えええ?なんだってのよ!?」
「貴様には関係ないわ!ふはは」
そうして親父は姿を消した。
「超展開ね……」
あっけにとられた。
「で、輝夜。私どうすればいいと思う?」




