第08回
「ここは……?」
荒いグラフィックだ。どうやらゲームの世界に入ったようだ。どこかの草原にいる。
「あれ?」
飛んで散策してみようと思ったが、飛べない。右上には「レイム まほう Lv.1」と書かれていた。
「なるほどね……」
いつか輝夜が言ってたRPGという世界のようらしい。
「ひとまず探索してみましょうか……」
そういい、私は歩き出すが身体が思うように動かない。というか、前と横にしか動けない。
「なるほど、なかなかレトロなゲームのようね……」
空から声が聞こえた。
「誰?」
「私よ、輝夜」
「あんた、私と会話できるの?」
「そう、この2Pのマイク付きコントローラーならね」
「す、すごいわね、ハイテク」
「まあ、私もこんな風に役立つゲームがあるなんて知らなかったわ」
「とりあえず、私どうしたらいい?」
「うーん、とりあえず近くに町があるみたいだから、そこに向かうといいんじゃないかしら?」
「町?」
「ここから西にずっと歩いたとこにあるわ。草原地帯だから気をつけてね」
「気をつける?何を?」
ブツッ……ぷーっぷーっ
会話が切れた。
「おーい輝夜~!」
シーン……
「はぁ、とにかくいってみよ」
人間の気配もしないし、このまま何もしないのも良くないので私はその町まで歩いて行くことにした。




