第20回
「さ、さとりさん!普段から心が読めるからってからかうのはやめてください!今はお風邪を引かれてるから、疲れてるとかそんな感じじゃないですか?」
「なるほど!そう、はたての言う通りです!ほんと、心が読めなくても怖いなぁ、さとりさんは」
「じゃあ、試してみる?」
さとりが取り出したのは嘘発見器だった。
「これで、お互いに私が質問していって、本当にお互いが嫌いかどうかがはっきり分かるわ。これはにとりが作った発明品だから、おもちゃなんかじゃない。」
ごくり。
文とはたての息を飲む音が聞こえた気がした。さあ、どうする?
「あ〜、あの実はそろそろ夕刊の書き上げなきゃいけない時間でして、そろそろお暇させて頂きます!」
「あ、わ、私もでしたー!!!では失礼しました〜〜!」
また逃げたな。
「……無回答という名の肯定、ってやつかしら」
「青春ね……コホッコホッ」
「ああ、さとり様。安静にされてください」
「うん、ずっと風邪でいようと思ったけど、ちょっと限界かも……」
お燐がさとりを介抱しながら、どこかへ行ってしまった。そして私一人になった。目の前には嘘発見器がある。確かさとり、これいらないとか言ってたような。念のため貰っておこうかしら。そう思い手を伸ばしたが、少し考えてやめることにした。
「まあ、幻想郷は心なんて読まなくたって分かりやすい輩ばかりだし、いっか」
次の日、私は外を適当にぶらついていた。
朝刊らしきものを妖怪が見ていたので、いつもどおり奪って読んだ。文のとはたて両方とも奪った。




