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第16回
「あれ、文……?」
遠くから知った声が聞こえた。はたてだ。
「はたて、なんでアンタが!」
「文こそ、ここの取材は私が独占スクープとして書いてるんだから」
「あんたの新聞に独占されたら、せっかくのネタも台無しになっちゃうでしょ?」
「なにそれ!ひっどーい!」
何やらいつものじゃれ合いが始まったようだ。
「だいたい文がここに来たのだって、私の新聞見てからでしょ」
「ち、違うし!」
おい、嘘をつくな文よ。
「たまたま通りかかっただけだし!」
「そうやってまた嘘ついて!やーい、でっち上げ新聞!」
「あんた、てきとーなこと言ってたら承知しないよ!」
「あ、文が怒った、おこなの?激おこぷんぷん丸なの?」
「コイツ?!!」
タダの口喧嘩になってきた。
「こらこらやめなさいよ」
「れ、霊夢さん!悪いのは文ですよね?」
「私は、どうでもいい」
「そですか…」
シュンとなるはたて。




