第09回
やれやれという感じで輝夜が説明を始めた。
「これはテレビにつけて遊ぶゲームでなの。テレビっていうのは画面が映る機械ね」
「ああ、そいえば香霖堂で見かけたことがあるような気がするわね」
「小人が中に入ってるやつか?」
「バカね、違うわ。あれは絵が動いてるのよ」
「あんたたちにテレビゲーム貸しても、テレビがないんじゃね……じゃあこっちはどう?
輝夜が次に出したものは、赤い巨大な双眼鏡のようなものだった。
「これは?」
「これは幻想郷でもちらほら見ることあるけど、知らないの?バーチャルガールっていうゲーム機よ」
「バーチャルガール?」
「これならテレビもいらないしね、試しに遊んでみれば?」
コントローラーを受け取り、さっそくプレイしてみる。
「このゲームなんてどう?画面に映ってるキャラを動かして、敵を倒していくの」
「凄い、画面の奥に魔理沙がいる!」
「わ、私!?」
「このゲームはマリサクラッシュってゲームっていうの、全然売れなかったけど」
「人の名前を買ってに使うなよな!しかも売れなかったのかよ…!」
「ハード自体が全世界で77万台くらいしか出なかったらしいからね」
「77万!?凄くないか!?」
「外の世界は広いの、これは相当少ない数だそうよ」
「で、敵が来るけどこれはどうやって倒せばいいのかしら?踏むの?」
「ああ、霊夢ダメ、踏んじゃダメなのそのゲームは」
「ああ、死んだ…」
「このゲームは甲羅を敵にぶつけて倒すのよ」
「お、ほんとだ!やった!倒したわ」
「れいむ~アタイもやりたいよ~」
なかなか面白い。ほかの人に画面が見えないのがネックだが。
「これ借りて行くわ」
「いいわよ、でもまあ壊さないでよ?一応今貴重なものなんだから」
「霊夢、私にも貸してくれよ?」
「分かったわよ」
というわけでバーチャルガールを借りた。
「さて、遅くなってきたし私達は帰るわ。てゐが帰ってきたらよろしくね!」
「はい、ではお気をつけてお帰り下さい」
鈴仙に送られて私達は永遠亭を出た。
「輝夜の部屋には色々まだまだ面白そうなものが多そうだな」
「そうね、まあこんなことしてるから引きこもりなんて噂されるんでしょうけどね…」
そんなことを話しながら私達は移動していると、森の下の方で誰かに呼ばれた気がした。
「こらー!霊夢~!」
聞き間違いではなかったようだ。
下を見下ろすと、にとりがボロボロになって私を追いかけていた。