第08回
魔理沙の方を見る。
「せっかくだしお言葉に甘えようぜ」
「あたいもおなかペコペコだよ~」
「あらあら、ではもう支度は済んでるので、どうぞ上がって下さい」
居間に案内されると、そこには既に料理が並んでいた。
てゐのことは放っといて食べましょうと鈴仙が言うので私達はごちそうになることにした。
これは鈴仙と永琳が作ったのかしら、かなり美味しいわね…
「あら?霊夢?」
「輝夜じゃない、久しぶり」
輝夜が居間に降りてきた。
「あんた達、なんでいるの?」
「決まってんだろ、夕飯に呼ばれたんだよ」
「いや、決まってないから…」
「いやぁ、お前んちの味噌漬け美味しいな」
「うち特製ですよ」
お茶を入れながら永琳が自慢気に言う。
「永琳、どういうこと?」
「え?輝夜が今日は忙しいから部屋の外に置いといてと言ってたから、夕食の方を始めていたわ」
「そうじゃなくて、コイツらよ」
「ああ、それなんだけど、てゐがね…」
事情を話す永琳。
「なるほどね。で、てゐを待ってるのね」
「そうなのよ、ったくアイツなかなか帰ってこないわね」
そこに鈴仙が申し訳なさそうに言う。
「てゐは夕食時には帰らないことが多いんで、昔罰として夕飯抜きにしたことがあるんですけど、それから外で食べて帰ってくるようになっちゃいまして」
「不良娘だぜ…」
「きっと今も誰かのおうちにいるかもしれません。もしかしたら泊まりかも」
「なんですってー!?」
「そうねーこんな時間に帰ってこない時はたいてい帰ってこないわね」
永琳も言う。本当のようだ。
「本当に、うちてゐが迷惑をかけてごめんなさいね」
永琳と鈴仙が頭を下げる。
「いいわよ、てゐはああいうヤツって知ってるから、こっちも油断してたわ」
「とにかく、道具は必ず返させます。そうだ輝夜。何か霊夢さんにお詫びというかうちの秘蔵の宝物をお渡ししたらどうかしら?」
「ええ、嫌よ!何で?」
「ほら、最近触ってなくて放置してるのとかあるじゃない?」
「うーん、そうね。そうだ!貸すだけならいいわ!」
そう言い居間を出ると、輝夜は自分の部屋から何か持ってきた。
「これなんか、おすすめなんだけど」
「なにこれ?」
「知らない?外の世界で流行ってるテレビゲームというものよ」
「テレビ?ゲーム?」
首をかしげる私達。
「そこから説明が必要そうね…」