第07回
どうやらみんな怪我はないみたいだ。特に変わった様子も無い、と思ったが。
「あら?ない、え…?まさか盗られた?」
「そのまさかだよ」
遠くで嘘発見器を片手に持ちながら、少女が笑っていた。
「てゐ、あんたね!?」
「ふふ、話は聞かせてもらったよ、これ面白そうだね」
「ちょっと返しなさいよ」
「へへ、返してほしかったら力づくで奪ってみな~!」
そういうと、てゐは森を走り抜けていった。
「手分けして追うわよ、なんとしても嘘発見器を取り返さなきゃ」
「「あいあいさー!」」
しかしさすがてゐ。迷いの竹林のことは誰よりも熟知していた。見つけたとしてもすぐに逃げられるし。からかわれているだけだった。
「うあ~~~~~」
「チルノ!?」
「た、助けて~~~落とし穴にハマっちゃったよ」
こんなこととか。
「あ、待って!あんなところにお金が!」
「霊夢、それはどう見ても罠だ!」
トラップ発動。網に掛かり、木に吊るされる私。
「なにやってんだよ…」
「あ~~~分かっててもお金には弱くて…」
こんなことがあったりで。とうとう見つけることさえ難しくなってきて、3人は諦めて休憩することにした。
「はぁ、すばしっこいヤツね…」
「まあうさぎだからな」
ため息をつく私。
「でもさ、良く考えたんだが」
「なに?」
「てゐは夜になったらどうすると思う?」
「そりゃ家に帰るでしょう。鈴仙もみんないるし」
「じゃあ、普通に永遠亭で待ち伏せしてりゃ、帰ってくるんじゃね?」
盲点だった。
「アンタたまにはやるわね!」
「いや普通に考えれば分かるだろ!」
「奇遇ね!あたいもそれ考えてた!今!」
「「うそつけっ!」」
こうして、3人は永遠亭に戻ることにした。
◆◇◆
「あら?みなさん、おかえりなさい。てゐは見つかりました?」
きょとんとした顔で鈴仙が出迎えてくれた。
「それが…てゐがうちらの荷物盗んでどっか言っちゃったのよね…」
「またあの子は!すいません、きつく言っときます荷物も返させます」
「で、帰ってくるまでここにいさせてもらおうと思ってね」
「は、はぁなるほど…あ、それでしたら夕飯ご一緒にどうですか?」