第05回
「てゐ?今いないですね。たぶん迷いの竹林で遊んでると思います」
鈴仙が玄関で教えてくれた。
「それにしても皆さんお揃いで、どうかされたんですか?」
「いやぁ、チルノがこんな手紙を貰って困ってるのよ」
「あ、その今問題になってる手紙ですね」
「うどんげ、知ってるのか?」
「はい、うちも困ってるんですよ。まあ立ち話もなんですし、上がって下さいな」
言われるままに屋敷にあがる。改まってこうやって屋敷に入るのは久しぶりかも。
「輝夜はどうしてんの?最近」
「輝夜様は盆栽をいじられてます」
「相変わらず暇そうね」
「いえいえ、何かとそんな噂が流れてますけど、結構毎日お忙しい方なんですよ??」
「どうだか」
「ささ、こちらが居間です」
というわけで広々とした居間に招待された。テーブルにはちょっと高級そうな茶菓子などが置いてある。
「あら?霊夢に魔理沙さん、チルノちゃんも、いらっしゃい」
「あ、永琳!ご無沙汰だぜ」
「私があげた薬は効いてます?」
「効いてるよ、また何かあったら頼んだぜ!」
「魔理沙、なんか病気でもしたの?」
「い、いや霊夢には関係ないだぜ」
「なに動揺してんの?妙ににさっきから『だぜだぜ』多いし」
「ま、まあ、とりあえず本題に入ろうだぜ」
人に言えない病気なんだろうか?まあいいや。
「永琳様、この手紙でまた被害に合われてる方がうちに」
「あらあら、またなの?」
「てゐも知らないって言ってますしね」
「そうね、それにこんな手の込んだイタズラは、てゐらしくないしね」
「そうですね、まあ胡散臭さは近いものを感じますが」
二人で話し込んでいる。今回のことは初めてじゃないらしい。
「あの、結局これはてゐじゃないの?」
「そうですねぇ、霊夢さんはどうしててゐだと思われたんですか?」
「ここにね、永遠亭って書かれた後があるのよ」
「なるほど、こないだも似たようなパターンがありまして」
いろいろなパターンの話を聞いた。どの話もなかなかに胡散臭い。
「とりあえず、てゐもこのことに関してはちょっと気にしてるようです」
「なるほどねぇ」
そんな話をしながら、茶菓子を食べながら談話していた。チルノは難しい話だったのか、寝ている。ひとまずてゐがこのことに関しては永琳や鈴仙より詳しいということが分かったので向かうことにした。
「それにしても霊夢。チルノのために今回はやけに動くな」
「当たり前でしょ、犯人捕まえて懲らしめたら、詐欺で奪ったお金も回収して、騙されたみんなからお礼をもらうのよ」
「なるほど、霊夢らしいぜ」
とりあえず、今はてゐを探して、詳しく聞いてみることにしよう。鈴仙が入り口まで送ってくれた。
「また遊びにいらして下さいね、てゐは多分迷いの竹林にいると思います、結構木が生い茂ってるので、飛んで探すと見つからないかもです。お気をつけて」
「ありがとね」