第04回
移動中に分かったことだが、この嘘発見器。指を乗せる部分があるが実はそれは機械に雰囲気を出すための飾りで、実は指を乗せなくても嘘かどうかが分かるらしい。
さすがにとりの発明品、まったく仕組みが分からない。
「こんな面白いもの、何かに利用する他ないわね」
とは言ってもなんだか使い道が浮かばない。こういう時はやっぱりアイツも巻き込んだほうが面白そうね。
「よ、何してんだ霊夢?」
「って、アンタいつの間に?」
「たまたま通りかかったんだ」
「妖怪の山に?」
「最近、ここらで軽く変な噂があって、調査してたんだ」
「どんな噂よ?」
「なんか、詐欺が多発してるらしい」
「へえどんな?」
「それがなかなか周到らしくてさ、手紙が送られてくるんだって」
「どんな?」
「アナタは100万円当選しました、これを受け取るためには、まず受け取りの手続きの手数料として何万円振り込んで下さいとか」
「胡散臭すぎるわよ…」
「これを『架空請求詐欺』って言うらしいぜ。結構騙されるヤツがいるから注意な」
「どんなヤツよ…」
そんな話をしていると、遠くから見慣れた水色の妖精が飛んできた。
「うわあぁ、霊夢助けて、身に覚えがないのに、なんか凄いお金払って下さいって手紙が届いて。このままじゃ私借金まみれになっちゃうよぉ」
「妖精もお金使ったりするのね…」
「ちょっと手紙見せてみろよ」
「うん…」
チルノは握ってぐちゃぐちゃにした手紙を見せてもらった。
「送り先はやっぱり書いてないわね」
「いやまて霊夢、ここよく見たら何か書いた後があるぞ」
「ほんとだ、でも消されてる、アレよ。えんぴつでこすったらわかるアレ!」
「あ!あたいけーね先生のところで勉強してるから筆箱持ってるよ、えらい?」
チルノからえんぴつを借りる。そして魔理沙はその鉛筆を少し斜めに持ち、送り先の部分をカサカサと黒く塗っていった。
「………えいえんてい?」
チルノが自分の最大限の脳みそをフルパワーに使いその汚いひらがなを読んだ。
「永遠亭ね。そいえばあそこ、詐欺師のうさぎのちびっ子いなかったっけ」
「てゐか、最近会ってねえなぁ」
「まあ犯人を決めつけるのはまだ早いけど、行ってみましょうか」
「あたいのこの請求、取り消してもらわなきゃ!」
「いや、そういう手紙は無視すればいいんだぜ?」
「え、そうなの?」
「見に覚えがなかったらな…」
「見に覚えはないけど…でも気になって、不安で寝れないの」
「まあ、気持ちは分かるぜ」
「とにかく永遠亭に行ってみましょ!」