第02回
相変わらずね…。
にとりはよく幻想郷に無い、ヘンテコなカラクリを作っている。
いつも着ている服は「光学迷彩スーツ」と言って透明になれるらしい。この前は電話という機械を作っていた。遠くにいる相手にも即時に連絡が取れるというものだ。
それから外の世界では一般的に使われているという掃除機。たまには便利なものも作っているみたいだ。
「これを使えば嘘をついてるかどうかが分かるのよね…」
試しにその機械に自分の指をはめてみる。
「うーん、なにか嘘をついてみるかな、例えば…」
「チルノは天才」
「カチカチカリカリ…」
嘘発見器が、なにやら測定しだした。何か色が付く針で何度も線が引かれる。
「ブブー」
なるほど。これは不正解って意味なのかしら?
「……ん、こんなんじゃ全然参考にならないな」
考えても、なかなかいいものは浮かばない。少しだけ考えてみることにした。あ、そうだ!いいことを思いついた私は、台所でお茶を準備している早苗に声をかけた。
「早苗~、ここの家きゅうりある?」
「ありますけど、どうされたんですか?」
「ちょっと貰ってもいいかしら?」
もらったきゅうりをテーブルに置く。近くにあったチラシとペンを使ってメモを書く。
「よし、じゃあ私ちょっと用事を思い出したから行くわ」
「え、お茶とお菓子用意したんですけど…ついでに朝ごはんも食べて行かれるものかと」
「また今度いただくわ、まあうちにもたまには遊びに来なさいよね」
「ええ!?それは光栄です、ぜひ遊びに行かせていただきますね」
「ということで、私は行くわ!じゃ、また!」
「いってらっしゃいませ~」
というわけで、私は守矢神社を出た。
「では、さっそく…誰に実験するかな?」
借りてきた嘘発見器を手に、微笑む私。
近くに手頃な妖怪がいればいいんだけど……適当に山の周辺を飛んでいると、よく知った妖怪が目の前を通り過ぎた。
「やほ、はたて」
「あら、霊夢さん、おはようございます、早いですね」
「たまたまよ…そっちの新聞はどうなの?」
「相変わらず文々。新聞には、部数は敵わないですけど、まあいい感じです」
「確かにアンタの念写は裏付けというか、確証はあるんだけど、タイミングがね」
「はい、そこはほんと何とかしたいです」
軽い世間話もしたところで本題に入る。
「そういえば面白いものを見つけたのよ。知りたい?」
「え?知りたいです……!ぜひ」
「事の次第によっては、情報料もらっちゃうけど、いいかしら?」
「相変わらずガメついですね、いいですよ」
「ふふ…じゃあいいわ。ほら!」
見せつけるように、にとりの機械を見せた。
「こ、これは…!!!!!何ですか?」