第12回
作り笑いを浮かべながら飛び去った早苗。後を追う神奈子。取り残された私と魔理沙。
ヒュ~と鳴ってるのか鳴ってないのか分からない口笛を吹く魔理沙。
「なるほどな~」
あ、やっぱり?魔理沙も同じこと考えてる?
「うーん……そういうことみたいね」
お互い、苦笑い。
「……まあ、今回はお化け屋敷でひと稼ぎできたし♪ 恋愛成就の博麗神社出張所はこの辺にしときくわ」
「にひひ、霊夢~たまには奢ってくれよ」
「なんだかんだ私が奢ってばっかじゃない、嫌よ!」
「ちぇ〜ケチ!!」
◆◇◆
それから数日後。小傘とお礼が博麗神社に届いた。と言うか小傘が依頼人のお礼を持ってきた。
「ちょうど生活費切らしてて困ってたのよ」
「お前どんだけ浪費家なんだよ」
「コンビニが、コンビニが悪いのよ…」
魔理沙が反対側のコタツで寝そべりながら文句を言う。いつの間に来てたんだか…
「結局依頼人の恋愛は成就してたの?小傘」
「うーん、私が見た感じは、そういう感じなかったと思う」
「やっぱり、文のデマだったのかしら」
「大体幻想郷に、そんなロマンチックなの、似合わないんだよ」
「まあ、それもそうね」
3人でお茶を飲む。平和はやはりいいな。まあ参拝者は来ないけど。どこかの妖怪から奪った「文々。新聞」を魔理沙が読んでいる。
「なになに…妖怪の山で“禁断の恋”スクープ特集?」
「ほんと、ネタが無いのね、文も、あ〜またどこかで異変起きないかしら」
「物騒なヤツだな…」
すると外が騒がしい。外を見上げると聞きなれた声が二人ほど。
「待ってください~!!誰ですか!あんなデマ載せたの〜!」
「裏は取れてるから!まあパパラッチには気をつけなね」
「も~!!」
何やら文が新聞の記事のことで追いかけられているみたいだ。
幻想郷は今日も平和だ。
まあ、個人的には早く異変起きてほしいけれど。
終