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05.相談など受け付けるはずがない、私は特別なのだ!

「神谷世名さん!相談に乗ってください、お願いします!」


 昼休みが始まった直後、こんな声が教室に響き渡った。

 その声の宛先は当然私。そして差出人はクラスメイトの女子生徒だ。

 天才は基本的に他者の相談事など聞かない。だが、この女子生徒は軽薄そうな

見た目によらずなかなかどうして私への敬意をちゃんと持っている。

 少し話を聞くぐらいはしてやろうじゃないか!


「なんだ?少しだけなら聞いてやろう」

「ありがと!その……急に何だけど、私、その、1組の明智蒼汰くんのこと、えっと気になってて……。ほら、世名さん、1日であの首席のイケメンを落としたって有名だしアドバイス欲しいなって」


 顔を真っ赤にして話してきた。


 首席のイケメン……つまり才田知怜を落とした。

 ……なるほど!つまりこいつは私のように、1組で調子に乗っている明智蒼汰という男に現実をわからせたいんだな!


「そういうことか!……だが、残念ながら私はまだ才田知怜を落とせていない」


 私を才田知怜よりも上だと見てくれるのは嬉しいが事実としては負けてしまっている。現実をわからせることはできていないのだ……


「いやそんなことないでしょ!才田くん、今日もずっと世名さんのこと見てたよ。絶対意識してるって!」

「あいつ授業に集中してたんじゃないのかよ!?」

「えっ?あっ、えっと……東雲くん?だっけ」

「あぁ。急にゴメンな、ちょっと気になって。俺も聞いていいか?」

「あぁうん。全然いいよ!」


 才田知怜が私を意識している!?

 ……まぁ当たり前だな!

 私のような天才、まず目をそらすなんて絶対にできないのだから!


 この女子生徒、思ったよりも優秀じゃないか!私の偉大さをちゃんとわかっている。

 天才は凡人の相談になど乗ったりはしないものだがしょうがない、今回は協力してやろう。


「いいぞ、その男に現実をわからせてやるために協力してやろう!」

「?……現実を教える?」

「あぁ、心配しなくていいよ。たぶんこいつ自分の世界に入っちゃってるだけだから」

「え……そう、なんだ?」

新章開幕です。いい感じに勘違いしてほしい。

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