幕間 天才の1時間の睡眠は凡人の3時間の思考に匹敵するのだ!(根拠は私)
天才の特徴、そう言われて思いつくものはなんだろうか。
こだわりが強い、集中力が高い…
ふっ見事に凡人だな!そんなものは誰だって持っている特徴だ。そう、そのへんの凡人でもな!
天才の特徴、それは……
「おいっ、起きろってば」
「はぁ?うるせぇなぁ!私は寝るのに忙しいのだよ!」
友人A、……東雲秀やかましい声によって私のルーティーンは崩されてしまった。こいつ、歓迎テストの後からちょっと傲慢になってないか?
こいつのような凡人が天才である私の行動を妨げるなどあってはならないのに!
「お前なぁ、今授業中だぞ!いい加減起きてくれ!」
「神谷さん?起きてください」
誰だ?……あぁモブ教師Bか。凡人の香りがするから嫌いだな。
「天才の脳は凡人が思いも寄らないような速度で動いているのだ。こんな無意味な時間は全て睡眠に当てなければ大事なときに動けなくなるじゃないか」
「はぁ、誰の脳が天才なんですか?昨日もいいましたが、今は授業の時間です。
無駄な時間ではないので起きてください」
「どう考えても無駄な時間だろう?この授業を真面目に受けているモブどもは私よりも馬鹿だろう?」
完璧な理論だな!私は顔を伏せた。
「あれぇ?世名さんは忘れちゃったのかなぁ?君に勝った知怜は今もあんなに集中して授業を受けてるじゃないかー」
こいつ……東雲秀は本当に調子に乗ってるな。
記憶喪失か?私が天才という事実を完全に忘れてるじゃないか。
「チッ」
が、負けたのは事実だ。あいつ、……才田知怜の名前を出されてしまえばこの
理論は破綻する。
クラスメイトもおそらく私のことを知怜の次として認識しているだろう。
ククク…これは全員に現実を突きつけてやらなくてはなぁ!現実を知ったときの顔が楽しみだよ!
「フフフフフ…フフフ」
「起きたのはいいですが、周りの生徒に迷惑なので静かにしてください」
……
こいつクラスメイトとして眺めてるだけなら愉快だな