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02.自分より上に人がいるなんてありえない、そう天才ならね!

「おーい、自分の世界に入ってないでさっさと移動しようぜ。入学式に遅刻は流石にやばいって」


 私が身の程をわきまえない愚か者への対応を考えていると友人Aが急に話しかけてきた。


「はぁ、君の急に話しかけて人の思考を邪魔するクセは改めたほうがいいと思うよ」

「今どう考えても二人で話していたよな?お前が急に考え始めてるんだよ!」

「なんでそんなに怒ってるんだい?もうすぐ入学式始まるじゃないか、さっさと

 移動しよう」


 後ろから友人Aの叫び声が聞こえた気がするが無視して歩く。人のために足を

 止めるなんて天才のすることじゃないからな!



 入学式が終わった。……最悪だった。あの身の程をわきまえない男は分不相応にも新入生代表挨拶などをやっていたのだ。

 代表?代表だって?

 お前ごときが私の属する集団の代表など務められるわけがないだろ!


「はやくあの男に接触しなければ」

「どうせ同じクラスなんだからそんなに急ぐことないだろ」


 うるさい!私はぶつぶつとうるさい奴の言葉を無視して知怜に近づく。


「才田知怜だな?」

「えっそうだけど……」


 ふんっどんくさそうな男だ。話しかけられただけで呆然としている。まぁオーラ溢れる私相手なのだからしょうがないといえばしょうがないが。


「急にゴメンな。俺は東雲秀で、こいつは神谷世名だ。世名は次席だったんだけど悔しかったみたいでさ」


 急に問題児の保護者みたいなテンションで話し始めたこいつは何なんだ。

 悔しい?違うな私はただこの世の秩序を乱す存在が気に入らないだけ。私よりも優れていると勘違いしている才田知怜に現実を教えてやろうとしているだけだ。


「いや、君が入試で一度勝っただけで勘違いして自惚れてしまっては哀れだと思ってね。一度しっかりと現実を教えてやろうと思ったのさ」

「はぁ」

「そうだな、ちょうど明日、新入生歓迎テストがあったはずだ。そこで勝負といこうじゃないか」


 せいぜい必死の努力でもしてるんだな!

 天才は返事など聞かないので私はさっさと歩き出した。

知怜の名前は正直ミスったと思ってます。見れば見るほど名前が女子!

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