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01.悩みなど存在しない、そう天才ならね!

 天才、それは一般人の常識が通用しない逸般人のこと。


 特定の分野で1位を総なめする、あるいは全方向に完璧なスーパーマンもいるが人々は天才と出会ったとき大きく分けて2つの行動を選択する。


 自分とは違う生き物として処理する、もしくは天才と認めずに挑み続ける。


 ここは◯✕県にある県内最高峰の進学校。ここにも1人、天才に出会いそして挑み続けるものがいた。



 突然だが、読者の諸君。天才という存在に出会ったことがあるかい?

 

 えっ?天才なんて創作物の中の人だって?

 ……ハハハ、ハハハハハなんてナンセンスなことを言っているんだ!


 それは君たちの目が腐っているから気づいてないだけだ。天才は確かにいる。

 それもとても身近なところに。そして今、君たちの目の前に!


 そう、私こそ真の天才!神に愛されし者!

 人々は私に会ったが最後、これまでの人生で積み上げたプライドは粉々に消え去り、私の才能を崇め続けるモブに成り下がるのだ!


 ハハハハハ、ハハハハハ、ハハハハハハハ……


「1人で何笑ってるんだよ?」

「なんだい?友人Aくん?」

「お前友達いなくなるぞ」


 世の中の真理について考えていたら邪魔されてしまった。空気の読めない友人Aを私は睨む。


「天才とは孤高なもの。私に友達がいないのもある種の宿命と言える」

「もう高1なんだからいい加減卒業したほうがいいぞ。この学校きたの俺等だけなんだから高校デビューにうってつけだしな」

「卒業とは何だ卒業とは。私が卒業できていなのではなく人類が卒業できていないのだ!」

「もう自分でも何言ってるかわかってないだろ」


 周りの目を気にし続ける友人Aは凡人というほかない。しかしこの学校に入れたのだからそのへんのモブよりはマシということだ。

 私の数少ない友人として認めてやっているのだから感謝してほしいものだ、まったく。


「まぁでもお前もある意味天才と言えるかもな。なんせ県内最高峰のこの高校で

次席取っちゃったんだもんな」

「嫌味か?私は今ちょうどそのことで悩んでいるのだ。入試の日に熱を出してしまったとはいえ、私が2番目なんだぞ、2番目!こんな屈辱は初めてだ」

「今回はしょうがなかったって。首席はあの天才と名高い才田知怜なんだからな。同じ年に生まれたことを呪うしかないよ」


 そう、私はいまとても悩んでいる。


 私の人生は完璧だった。いついかなる時も負けるなんてありえなかった。

 なのに!ぽっと出の「天才」くんに負けるだと?


 ふっこれはもう身の程をわからせに行くしかないな。

 まったく、私をここまで悩ませたのはこの男が初めてだ。

 おもしれえ男じゃねえか。身の程をわきまえるなら私の友達として迎え入れてやるよ!

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