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 冷たい風がどこからか流れてくる。その底冷えした寒さが俺を目覚めさせた、のか?


「ここはどこだ?」


 周囲を見渡すと漆黒に近い、不気味な森のようだ。

周囲の木々は禍々しいほどに歪み、紫色の霧が立ち込めているからか、視界も悪い。遠くからは今まで聞いたことのないような動物の唸り声や、甲高い鳥の声が聞こえてくる。


「絶対ヤバい場所だろ、これ……。俺キャンプとかも行ったことないインドア派なのに」


 とか考えつつ、起き上がろうとするが、体がうまく動かない。不審に思い、自分の手元に視線を戻す。


 そして自分の手を見ると、そこにあるのは、なんと白く乾いた骨の指!慌てて自分自身をまさぐると、そこには肉も皮もない。まさにスケルトンの自分がいるではないか!!


「は?なにこれ?俺骨?死んじゃって……はない。一応動くし。いや、サンタ爺には人族でも魔族でも竜族でもないものって言ったけどさぁ。スケルトンはないでしょ?」


「友情」


「努力」


「理不尽」



「いや、初手から理不尽はないでしょ。確かに退屈は嫌だって思ってたけどさぁ。まさか、そういうこと?理不尽すぎるだろ!!」


まさかの異世界転生初日からサバイバルに突入とは。スケルトンでサバイバルって……


 まぁ呆けていても始まらない。まずは安全の確保。これ大事。会社の防災訓練でも、まずは身の安全を確保してから各種タスクに移行するしな。今安否確認システムで回答するなら、『骨になってしまいました』とか回答するのかな。白い目で見られるわ。


「とにかく現状把握だ」


 周りを見渡すと使えそうなものは着ている短パンとTシャツ、あとは太めの木の枝くらいか。まぁ森の中だし、何もないわな。スケルトンだから、とりあえず食料や水も多分不要なんだろう。


 ところでスケルトンって何を動力に動いてるんだ?魔物から魔石が取れたりするから、魔力で動くのか?試しに意識を集中させてみるが、それらしい感覚はない。ただ漠然と体が動いている、それだけだ。まさか、俺が動くこと自体が魔力消費してるのか? とか、しょうもないことを考えてしまう。


 結局何もわからない。でも、こう言いたくて堪らない!


「やっと始まったな。俺の物語が!!」


 まさに地獄と言っていい状況だが、テンションだけは爆高い。


 とにかく安全を確保しよう。起き上がって周辺を見渡すが、見渡す限り鬱蒼と茂った森であり、どっちに行ったらいいかもわからない。だが、とにかく周辺を確認しながら歩いていく。


 スケルトンになって、目も耳もないのによく周りがわかるなって思ってるでしょ?みんなはわからないかもしれないけど、何故か感知できるのよ。これがスキルってやつなのかな?でも、これがスキルなら、人間でも皆何かしらの『スキル』を持っていると言えるのかもしれないな。そう考えれば、この世に本当の意味で『無能な奴』は一人もいないって断言できるのは、管理職としては嬉しい発見かもしれないけどさ。


数ある作品の中から今話も閲覧してくださり、ありがとうございました。


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執筆のモチベーションが大いに高まります!



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