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『エピローグ』
カラン、カラン。
今日もドアについた小さなベルが軽快な音を鳴らし、客の来店を知らせる。
「ピアノのコンクールでのミスを修正したい...かしこまりました。」
「元彼と復縁?了解です。」
「ああ、川に落としてしまった婚約指輪を取り戻したい、わかりました。」
そしてまたベルがきらりと光りながら、客の退店を歌うのだ。
「さて...在庫を確認しましょうか。」
チク、タク、チク、タク。
誰もいない埃を被った部屋に何者かの声が響く中、時計の針が規則正しく時間を刻んだ。