承・・・・・002
いったい、どんな気持ちで窃盗するのか、犯罪の意識はあるのか、良し悪しの判断はないのか、無意識で窃盗したのか、など色んなことを、考えた。
私はなにか恨まれるような事したのか、外人なのか、知り合いなのか。
そんな複雑な思いが膨れ上がっていた。
カギの締め忘れ側が責められる状況って、なんか変じゃない?
開いていたら盗んでかまわんのか、これは、自動車に限らず、鞄、財布、自宅、金庫、倉庫なども同じことになる。
そんなことを考えていたら、この世の中の風潮がおかしく思えてきた。
多数決の世界だから、きっと己がおかしいのだろうが冷静になれば、必ず気付くはずである。
命あるだけマシなのか、車の物損がないことが、マシなのか?
どんどん広がる頭の中だ。そんなことを思っていたところで、犯人を読み取ることは不可能だ。
一日はあっという間に終わり、免許証再発行が残っている。
翌日会社に電話する、終了手続きの報告、免許証再発行手続き、通帳の再発行手続きのため欠勤依頼をした後交通機関を使い、免許証再発行の場所へ行き手続き一旦自宅に戻り、信用金庫店舗へ再発行手続きのため向かう。
受付で、"不正引き出しはないので、安心してください、では再発行手続きしますので、お待ちください"と告げられた。
待ち時間の間、心はモヤモヤしている。とにかく、さっさと出来事を忘れて日常を取り戻したいと思うが、衝撃過ぎる今回の出来事の消化抹消に時間を費やしそうなつむぎだ。
やれやれ、ようやく手続きが終わり明日からは仕事となる。
盗難出来事から3日、4日、1週間と経過するにつれ、少しずつ、平常心を取り戻していく。
時々、『鍵閉め忘れたつむぎの自業自得、盗まれても当たり前やん』という文節のフラッシュバックに呼び出されることもあった。