表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

六十センチ

夏休みに入る少し前の日常




いつものように登校して いつものように授業を受ける




チョークの音と扇風機の音だけが 静かな教室に淡々と響く




時々流れる夏風が 後ろの席にいる私たちに涼しさを運んでくれる




少し汗ばむこの体は 夏のせいで熱いだけ




言い聞かせる度に 窓際に座る君を見てしまう




風になびく髪が 授業を真剣に聞いている顔が




毎日見ているはずなのに 毎日違うように見える




何のために勉強するのかと聞かれれば あなたと同じ場所にいたいから




そのためだけに勉強してきた そのためだけで勉強できた




終業のチャイムが鳴り響く あと何回この横顔を見ることができるのだろう




数えきれないほどだとしても いつか終わりが来てしまう




そうなる前にと思う心は 臆病すぎて動かない




せめて少しでも 長く見ていられるように




せめて少しでも 近くにいられるように




勉強だけでも自信を持って あなたの隣に居られるように




今はまだ 近くて遠いこの距離を




もう少しだけ縮めたい




もう少しだけ隣にいたい




昼想夜夢日々 依々恋々と




私の春は 終わらない 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ