表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/10

男の子は、勇気を出す。

 そりゃ突然知らない男に話しかけられたら驚くよな。

 拾った本を差し出すと、彼女はさらに驚いた顔で自分の鞄を確認する。


 やっぱり彼女ので正解みたいだ。

 意外に抜けてるところがあるのかな。

 そう思ったら可愛いなと思った。



「ありがとうございます」



 彼女は笑顔でその本を受け取る。

 初めて見た笑顔はますます可愛くて、俺も自然と笑い返していた。

 俺が笑ったのを見た彼女は突然真っ赤になって、俺もつられて顔が赤くなる。



「電車降りちゃって大丈夫ですか。あと、お礼…」



 休日出勤だから、出勤時間は決まってないし、次の電車はすぐ来るだろう。

 お礼、と言われて一瞬、ごはんでも一緒に、という言葉が頭をよぎった。

 いや、でも今それを言うと、彼女に奢らせてしまうことになるんだろうか。



「すぐ次のに乗るから大丈夫。お礼も気にしなくていいですよ」



 軽い男と思われたくないのもあって、気づいたら格好つけていた。

 数分で電車は来る。最悪また来週の電車で声を掛ければ、どうにでもなる。



「じゃ、じゃあせめてお見送りします」



 思いもよらない返答が来て、彼女はその場にとどまった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ