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「いいね」で回すガチャアプリ ~異世界でSNS投稿していたら、最強冒険者へ成り上がっていました~  作者: 御手々ぽんた


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フロンターク

「おい、さっさとこの邪魔な煙を消せ、フロンターク」とケイオスがフロンタークに言っているのがくぐもって聞こえる。


 二人の顔下半分、口許をおおう布。そこには何やら魔法陣の輝き。眠る効果のある煙の中でも平然と行動しているのは、あの布のおかげのようだ。


「へいへいー。ただいまやりますって」とただのギルド職員のはずのフロンタークが両手を広げると、煙がその手の中へと急速に吸い込まれていく。

 あっという間に、部屋に満ちていた眠り効果のある煙が消える。


「ちっ。起きてる奴が居るじゃねえか。使えねえな。おいおい! しかも奴はヒョガンを殺った奴じゃねえか」


「そりゃあシュバルツが彼に巫女の護衛を依頼してましたからねー」とさも当たり前のように語るフロンターク。


「ちっ。黙ってやがったな」とフロンタークに詰め寄るケイオス。


 ひょいっとそれをかわして、フロンタークが話し続ける。


「そんなことより、早く巫女を回収しちゃって下さいよー」


「ふん、仕方ない」とケイオスがその両足から炎を吹き出した時だった。


 立体機動と木登りのスキルで壁を登り天井から忍び寄っていたディアナが白銀のスコップを振り下ろしながらケイオスへ。その首を掻き切ろうと迫る。

 落下する白銀のスコップの刃先が白い彗星のよう。


 直前でその動きに気がついたのだろう、ケイオスが大きく息を吐き、口からも炎を出すと、体勢をずらし、ディアナの攻撃をかわす。

 手のひらをディアナに向けるケイオス。

 そこへ、炎熱のスコップをサーフィンのように乗りこなしたディガーが割り込む。

 ケイオスの手のひらから噴出した炎を、炎熱のスコップの炎が相殺する。

 そのまま攻防を繰り返しながら、三者は大源泉の床のあるフロアへ。

 残されたフロンタークへ私は問いかける。


「フロンタークさん、どういうことか、弁明しますか?」と私は構えた吸魂のスコップを向ける。カルファルファも私の横で魔女のステッキのようなものを構えている。


「弁明ですかー。特に無いですねー。死に行く人に話しても無駄ですしー」と、相変わらずの様子のフロンターク。


 冒険者ギルドで見かけた時と変わらぬ様子で言ってのけるその内容。いやでも、明確にフロンタークは敵側の人間だったのだとわかってしまう。


「じゃあ、言い方を変えます。何でわざわざジョナマリアさんを大源泉へ行かせるような真似を?」と私が話すと、何故かカルファルファまで何言ってるの、こっちを見る。


「ああ、クウさんは翼猫族(よくびょうぞく)を知らなかったんでしたねー。あり得ないほどの物知らずで。翼猫族は守りの力で有名何ですよ。シュバルツは特に世界でも屈指の守りの力の使い手ですねー。貴方の操る炎の化け物から街を守る結界を張ったのもシュバルツですよー」と馬鹿にしたように話すフロンターク。


 どうやら話す気はあるらしい。

 その馬鹿にしてくる雰囲気を良いことに、私はついでに聞いてみる。


「なるほど、それで何でジョナマリアさんやリスティアを狙うんだ? 巫女だからか?」


「そうですよ。私たち錬金術師の求めるのは真の理。今のこの神に支配された世界からの脱却。そして人による人のための世界の創造。神の下僕たる巫女達はその力を解明し、白日の元に晒されなければならないんですよー」と、高揚したようにペラペラ話すフロンターク。

 その様子はさっきまでと一転。自己陶酔の激しいマッドサイエンティストのようだった。


「……どうやら分かり合えなそうなのは、わかった。ショウっ!」という私の掛け声で、斬馬鋏を構えたショウが一気にフロンタークへと迫っていった。

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