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「いいね」で回すガチャアプリ ~異世界でSNS投稿していたら、最強冒険者へ成り上がっていました~  作者: 御手々ぽんた


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スマホアップデート

 ハイヌクイーンの上半身だった大量の肉片が舞い飛ぶ。


 パルマはぷんと再び手にもった剣を振る。

 鎖に絡み付いていた肉片が再び空を舞う。

 鎖がほどけ、どんどんとパルマの腕へと戻っていく。血肉でぐっしょり湿った大量の鎖が、まるで消えるように収納されていく。


 エンプ達が鎖をほどく。

 ハイヌクイーンの下半身が落下してくる。


「おわっ、あぶな──」私は咄嗟にジョナマリアとカルファルファを庇うように動く。


 大地に叩きつけられるハイヌクイーンの下半身。

 衝撃で大地がえぐれ、砂埃が津波のように襲いかかってくる。

 抱きつくようにして庇ったジョナマリアさん達はまだしも、私は頭から砂埃をかぶり全身砂だらけに。


 砂埃が収まった頃、ユピテル達が降りてくる。

 どことなく申し訳なさそうな顔をした彼女たち。


「ごはっ、ごはっっ。うへー、口に入った」


「クウさん、大丈夫ですか?」と間近に聞こえるジョナマリアさんの声。

 自分の腕の中にいる彼女の姿に気がつき、私はガバッと離れる。

 頭に一気に血が上るのがわかる。


「ご、ごめん、咄嗟で……」


 何故か優しげに微笑むだけのジョナマリアさん。その表情に、一層あたふたしてしまう。


「な、な、なんなの。なんなの、あれは。あり得ないでしょ。確かに本来の力は無いとはいえ、大源泉の光を纏ったアーティファクトでも無傷だったのに。たった一撃だなんて。しかも翼を持つ種族なんて、伝説のユピテルぐらいしか……」


 呆然とぐちゃぐちゃになったハイヌクイーンの下半身を見つめながらうわ言のように呟き続けるカルファルファ。

 ジョナマリアがカルファルファの様子に気がつくと、そっと彼女を抱き締める。


「カルファ姉さん、大丈夫。大丈夫よ。終わったの」


「あ、ああジョナマリア。そうだな。無事で本当に良かった。しかしなんなんだ、あれは。どう見ても……」


 虚ろだったカルファルファの瞳に光が戻る。

 二人が話し始めたその時だった。


 突然、しまってあったスマホが振動する。

 取り出して見ると、メッセージが表示されていた。


『霊峰の主ハイヌクイーンの討伐を確認。

 条件:フィールドボスの初討伐を達成。

 条件:地域限定ガチャの実装を確認。

 条件を満たしたのでアップデートが開始されます』


 突然のスマホのアップデート。固まる私。


『── ── ── ──

 アップデートが完了。

 地域限定ガチャ及び位置情報登録のオンオフが選択できるようになりました。

 注意:クールタイムが86,400秒発生します。

 地域限定ガチャ及び位置情報登録をオフにしますか?』


 そして画面に表示されるイエス、ノーボタン。


 ──やった、これで襲われなくなる!


 私は勢いよくイエスボタンをタッチした。


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