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「いいね」で回すガチャアプリ ~異世界でSNS投稿していたら、最強冒険者へ成り上がっていました~  作者: 御手々ぽんた


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ハイヌクイーン

本日二話目です

 傷一つないハイヌクイーン。

 その姿を唖然と見つめるカルファルファ。しかしすぐに、下ろしていた錫杖を力一杯握りしめ、声を張り上げる。


「っ! 何としてもここは抑える。ジョナマリア、早く奥へ! クウさんを連れて──」


 私はスマホをしまうと立ち上がる。

 そして、近くに降りてきていたピノへ声をかける。


「ピノ、あれはいける?」


「簡単」


 それだけ答えると、上空へと舞い上がるピノ。

 その回りに他のユピテル達も集まってくる。

 どうやら私の、ハイヌクイーンの討伐の意思を伝えてくれたようだ。すぐに散会するユピテル達。


「クウさん! ジョナマリア! 何をしているの、早く!」


 とジョナマリアを洞窟の方へ押し出そうとするカルファルファ。

 そんなカルファルファにジョナマリアが応える。


「カルファ姉さん、大丈夫よ」


「大丈夫って何を言って──」


「ほら」と上空を指差すジョナマリア。


 ばっと振り向き仰ぎ見るカルファルファ。

 それはちょうどエンプとおぼしきユピテルともう二人、計三人の腕から伸びた血塗れの鎖がハイヌクイーンに絡み付いたところ。


 ハイヌクイーンは無造作に体をひねり、鎖ごとユピテル達を払いのけようとする。

 ユピテル達の翼が、光り輝く。

 それは魔法陣の輝き。

 無数の細かい魔法陣がまるで楔のような形を作る。その楔は、自身の翼を空間に打ち付けるように固定される。


 ハイヌクイーンの動きが止まる。

 その巨体が、たった三本の鎖で固定されてしまう。

 力の限り、足掻き始めるハイヌクイーン。

 一層の輝きを示す、エンプ達の翼の魔法陣。空間に磔になったかに見えるその姿は、何故か神々しい。

 ハイヌクイーンの身動きは、エンプ達によってすべて無駄に終わる。


 身動きを封じられたハイヌクイーンの正面。

 翼を広げ、そこに現れたパルマ。

 抑えきれない笑みが哄笑となってその口から漏れている。これから始まる事が、よほど楽しいのか。


 パルマの鎖が、自身の剣へと巻き付いていく。

 ぐるぐるぐるぐるとどんどん巻き付く鎖。どこから現れたのかというぐらい、止めどなく鎖が伸び、巻き付き続ける。


 剣だったそれは、あっという間に鎖のこん棒へと姿を変える。

 それでも止まらない鎖。

 鎖のこん棒の長さが、パルマの身長に達し。

 それでも止まらずに肥大化し続ける鎖。


 気がつけば、ハイヌクイーンと変わらぬ長さになっていた。巨木のような太さのあるそれを、パルマは振りかぶる。

 それだけで巻き起こる豪風。

 身動きの取れないハイヌクイーンはしかしその巨木と化した鎖のこん棒から一切目を離さない。

 一際甲高い哄笑と共に、パルマがそれを横薙ぎにする。


 一薙ぎ。


 たった一薙ぎで、ハイヌクイーンの上半身は爆散した。



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― 新着の感想 ―
[気になる点] ピノなのかビノなのか、ころころ変わって分からない
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