表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「いいね」で回すガチャアプリ ~異世界でSNS投稿していたら、最強冒険者へ成り上がっていました~  作者: 御手々ぽんた


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

72/110

広がる混乱

 階段をのぼると、そこはまるで戦場だった。


 絶え間なく上がる怒声。

 そこかしこに群がる人々。


「本部との連絡、急いでっ!」「ダメです! 繋がりません!」「早馬の準備──」「おい! どうなってんだよ。ちゃんと払えよ!」「少々お待ちください。ただいま対応を協議中で──」


「これはいったい……」喧騒に飲み込まれる私の呟き。


「源泉は冒険者ギルドの基幹を担っている。どれだけ非常事態かわかったら、さっさと行くぞ」とガッソ。


 辺りの様子を見て辛そうな表情を浮かべる魔女ジョナマリア。私は周囲と彼女の顔を見比べる。


(これは……。現代的な言い方にするなら、サーバーダウンみたいなことが起きているのか?)


 ガッソと魔女ジョナマリアの姿を見つけて、群がるように押し寄せ指示を仰いでくる職員達。それをかきわけるようにして進む。


「依頼は、最優先ランクの物以外は凍結! 他の業務は全て手書きで済ませろ! 緊急時用の予算の準備、急げ。フロンターク! 冒険者対応任せたからな」と、それでも進みながら指示を飛ばすガッソ。


 群がっていた職員達も、それを聞き、すぐに作業に取りかかり始める。


 どうにか喧騒を抜け、ギルド長の部屋までたどり着く私たち。


 扉の向こうでは、ギルド長たる黒猫のシュバルツが翼を広げ、その短いおててを合わせていた。

 まるで神に祈りを捧げるかのように。


 私たちの入室する音でこちらを向くシュバルツ。


 そこにガッソが声をかける。


「ギルド長、連れてきましたよ。どうですか?」


「ダメじゃな。完全に接続が絶たれておる。これは大元の大源泉で何かあったの」と、おててを下に下ろして答える。


「大源泉……」と、圧し殺すように呟く魔女ジョナマリア。何か考えている様子


 私は思わず声をかける。


「あの、すいません。私が宝玉を捧げたのって?」


「クウ殿、それは今回の混乱の直接の原因ではないだろうな。まあ、最後の一押しになった可能性はあるがの」とシュバルツが魔女ジョナマリアの方を向く。


「はい。その可能性はあります。何にしても私は大源泉へ向かいます。いえ、向かわせて下さいっ」


「そうじゃの。確かご家族がおったのかな」


「はい、姉たちが……。無事だと良いのですが」


「という訳でな、行ってくれるかな? 飛行する召喚獸持ちの大英雄殿?」と私の方を向いて聞いてくるシュバルツの顔には、見た目猫とは思えない強制があった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ