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!!!!!下  作者: 七瀬
第五章 可惜夜
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人と向き合う時に、自分自身と向き合う時に、一番重要なのは認める事だと俺は思う。


理解なんてきっと出来る筈はないけど、まずは認める事が大事なんだと思う。


自分自身の置かれた状況をとりあえず認めて、周りを見渡してから行動に移ってもきっと遅くない。


ただ、逃げる方法を間違えてはいけない。


飛び越えられなかったものを、ふとした瞬間に飛び越えられる時がある。


ずっと不可能だったものを突然可能にするのは、勇気を伴わないただの衝動に近い。


全てを捨てて逃げようとした女が一人、音を立てて落ちる棒の隙間から滑り込む。


あいつはある日突然、飛び越えたくても飛び越えられなかったものを飛び越えた。


真知は優しさ故に飛び越えてしまった。


結局人間は誰だって自分勝手だ。


自己満足でしかないけど、そうやって生きるのがこの世で一番の生き方なんじゃないかと思う。


誰かの為に生きてる訳じゃない。

誰かの涙が欲しくて生きてる訳じゃない。


人生がドキュメンタリー番組として全国放送される訳でもないんだから、我慢するなんて馬鹿馬鹿しい。


狡賢くていい。だから、生きるんだよ。


頭に浮かんでいるのは、一生一緒に生きたいと願う、二人で生きると約束した女の顔。


俺は焼けるように熱い左肩に発狂しそうになりながら、女の元に帰るという欲望の為だけに、生きたさ故に前から走ってくるベンツに丸腰で突っ込む。


綺麗なままではいられない。

純粋が不純になるのはいつからだ?


どれだけ純粋な気持ちで始まっても、どれだけ不純な気持ちで始まっても、始まりなんて関係ない。


いつかはどうせ綺麗じゃなくなるけど、根底にあるものはきっとずっと、綺麗なままだ。


俺と真知は二人で壊れた。



可惜夜





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