酔った勢いでの異世界生活⑤美香の過去話
壁lー゜)ヒッソリ おはよ~の早朝更新 この⑤話目を早く書いておきたかったんですよ。なんで中学時代の美香さんが?のラブコメ展開を一部回収というか・・・ね。
「えっと~、なんかあっという間に4人とも気絶してるんだけど、大輔何したの?見えなかったんだけど・・・」裕子が動揺して聞いてきたので、「限界レベルの瞬動からのパンチとキックを手加減して入れてみた」と答えた。「えっと、大輔。本当にありがとう・・・。ちょっと中学時代の初めて会った時の事思い出しちゃった。あの時は、私に逃げて!って言って私もすぐに逃げたんだけど、今は簡単に倒しちゃうんだね」美香は真っ赤な顔をして俺の目を見てそう言った。ん?中学時代に美香を逃がした?「あっ、あの時のピンクのキャスケットかぶった女の子って美香だったんだ!全然気がつかなかった」俺は中学1年の時に、ゲームセンターの前で高校生の男4人に囲まれて助けを呼んでいるピンク色のキャスケットを目深にかぶった女の子を助けた事がある。「誰か!・・・」と叫んだ少女に1人だけ通りかかったサラリーマン風の男はスルーしてて、俺は缶コーヒーの入ったボディバッグを振り回して、少女を掴んでいる男に殴りかかり「逃げて!」と叫んだんだ。女の子は無事に逃げたのだが・・・
当然、その後は4人から袋叩きである。生まれて初めて入院する羽目になったのだが、後悔はしていない。俺は、その時の女の子の顔は覚えていなかった。俺に暴行を加えた犯人の4人も特定されなかった。女の子が逃げれたみたいで良かったと、病院のベッドの上で一人納得していたのだった。「えっと、美香って俺が助けた事覚えてたの?っていうか、いつ俺だって分かったの?」俺が聞くと美香は逃げた後の事を説明してくれた。「あの時、私が逃げて一番近い交番に行ったんだけど警察の人がいなくて、それから人が多い駅前なら誰か助けを呼べるかもって思って、ちょうど大人の5人組の男女が居たから、お願い、助けて!って言ったらついてきてくれて、でも時間もかなり経ってたから現場には誰も居なかったの。だけど、争った跡・・・多分、大輔の血だと思うんだけど、それと、カラオケの会員カードだけが入った財布が落ちてて大輔の名前だったの。他の貴重品もなくて、私もあの一件以来、ピンクのキャスケットが嫌になって、かぶってなかったんだ。それで、学校で男子の名前調べてたら隣のクラスに、目の辺りのアザも痛々しい左腕にギプスはめた大輔を見つけて、あ、この人に間違いないって・・・」
「あの後、説明しようとして大輔に声かけて、会員カード入りの財布渡したのは覚えてるかな?でも、私の周りって男子が多くて、個人に声かけるのって妬みの対象になって迷惑かけそうで、財布を渡したときに、本当にありがとう。って周りに聞こえないように言うのが精一杯だったの。大輔にも聞こえて無かったよね。キャスケットで髪の毛全部隠してたし、普段は肩までかかるロングヘアーだし」そう言って当時を思い出したのか美香は涙を流した。「もう言っちゃってもいいよね異世界だし、美香必死だったよね。あの頃から。興味ない男たちに告白されまくって、肝心の大輔は、女に興味ないオーラ出しまくって、美香のマジ告白もスルーしまくりで、他の男にバレない様に、私とか聡志とかと一緒に遊んで、それでも大輔は美香と聡志を引っ付けたがってるそぶりまで見せまくりで、私だったらめげてたね。それでも、未だに思い続けてるんだよね。美香も20歳過ぎた辺りから、大輔は経済面のせいで交際しないって気がついて、しっかり稼げる仕事にまでついたんだよ。と、言う訳で現在異世界で世界最強で大金持ちの大輔さんや、美香さんに何か言うことは無いのかね?私はちょっと部屋で休んでるのでお二人でお話でもしてなさい」そう言って裕子は一人シルバーラビットの自分の部屋に戻っていった。
裕子が去って少しの間、沈黙が続いたが美香が俺を見つめて声をかけてきた。「えっと、大輔。何度でも言うよ私、美香は大輔が好きです。他の男の事なんて考えられないよ。実際助けられたのも一度や二度じゃないし、大輔の事、知れば知るほど好きになって・・・。聡志の事は友人としか思ってないよ。裕子に許せない事言ったから友人としても危うい感じだけど」と美香がそこまで言ったところで、衛兵が5人やってきた。周りを見てみると野次馬もかなり集まっていた。「む~、異世界なのに、また妨害が入るし」美香はそう言って衛兵をにらんでいた。俺は衛兵に説明した。「俺の連れの女性が2名そこで倒れてる男達にしつこく迫られてたので、俺が素手で倒した。そいつらは、街中にもかかわらず、4人とも剣を抜いて妖精魔法まで使ってきたが、俺が妖精も使わず無手で気絶させたんだけど、俺と彼女に問題は何もないよね?詳しくはそこに居る宿屋のエミリさんが見てたはずだよ。とりあえず、俺たちはもう一人の仲間と冒険者ギルドに用があるので失礼するよ」