第六話『月狼と底が尽きない魔力』
こんにちは~どうも雪だるまです。
今日はとても疲れました。読んでみた感想。とくに説明文が長すぎて、疲れてきます。次からは、気を付けますので、なんでもしますから。
なんでもって言ってはいない。
それとリアルが忙しくて疲れます。なので、小説は、当分書かないと思うので、よろしくです
次は後書きへ
森の中で修行している中、急に話しかけてきた。少年が居た。それはミルドである。
ミルドと出会った日から四週間が経過した。俺の日課は変わらずだった。朝と夜は修行で、昼はオーダの魔物講座を聞く。
これが、毎日だが。ときどきオーダが調査するので、その時は森で修行をする時間、なのだが・・・。
最近、オーダは魔物群れの調査で、なかなか修行ができない。オーダからは「ごめんな」って言ってくる。表情を固くし、申し分ないぐらい。本当は俺にもっと剣技と流派を教えたらしい。俺は結構、教わった気でいたんだがな。そしてオーダは俺に言ってきた。
「そういえば、ユウキ、お前・・・森で誰かと会わなかったか?」
そこしだけゾッくってきた。
何で分かるんだよ。
そう言いながら、オーダは、出掛ける準備をしながら聞いてきた。
オーダの言うとおり、俺は最近、頻繁に男の子と会っている。森で俺は修行中に話しかけてきた人が居たり、急に親友扱いされたりとした。
森で知り合ったミルドという男だ。
森で修行していると、木の上から出てくる。まるで、忍者のように気配がしなくて、驚いたな。
「ユウキの顔見れば、誰かに会っているな、誰だそいつは、ユウキを虐めてくる奴か?」
髪をワシャワシャしながら言ってきた。俺は素直に話すことにした。
誤解を招いて、オーダがミルドを斬ったなんて起きたら大変だからだ。
「最近、森で修行している時にミルドって男の子が絡んでくるんですよ」
「ミ・・・ミルドだと!」
「どうしたんですか、お兄さん。そんなに声を上げて、」
「いや・・・少しだけ驚いただけ。まさかミルドに会うなんてな」
「はい、あと何か親友にされました」
「親友だと・・・ユウキ、お前お気に入りにされているだな。」
そう言ってきた。何でオーダがミルドを知っているのかは、聞かないけど。
「それじゃ、行ってくるな。どうせユウキはまた森に行くんだろ。気を付けて行けよ」
そう言いながら、オーダは家からでって言った。
「はぁ・・・」
何で、分かっただろうか。脳を読む魔術でも使っているんじゃないか・・・
そう思いながら、自分の部屋で修行用の服を着替えて、家を出た。
今日も俺は、いつもの森に向かった。
ーーー
「はぁはぁ・・・」
《魔像限界》で体を大幅に強化する。
勢いよく剣を振りかぶり、大樹に向かって剣を振り下ろす!刃が大樹の幹にめり込み、大樹を真っ二つに切り裂く!
だが、完全に真っ直ぐに斬れてはいなかった。少しだけ、ずれて斬れてた。
「・・・駄目だな」
大樹を綺麗に斬ろうとしたが、少し斜めに斬ってしまった。集中力が足りなかったのだろう。以前の修行を思い出しながら、大樹に向けて、剣を構える。今度は、大樹をよく見る。集中を研ぎ澄まし、剣に魔力を纏わせる。大樹に向かって、剣を振った。
刃がするりと幹を通過し、大樹を真っ直ぐに斬った、斬られた部分から横に落ちて、地面に滑り落ちた。
今度は成功だ。
それから何本の大樹を斬った。集中しながら、魔力を意識しながら、俺は斬った。気づけば、俺の周りに大樹が無くなった。木と違って大きいから、選んだけど、このまま行くと大樹だけが無くなる勢いだった。
そう思いながら、自分で斬った大樹の幹に腰掛けて休憩していた。その時、奴が出てきた。
「ユウキ君は凄いね。また剣の速度が上がって、切れが良くなった。このまま行けば、実戦に使えるね。」
ミルドは平然な顔しながら俺にそう言ってきた。
「いや、見てるなら出てこいよ!」
「修行の邪魔をしたくなかったのだよ」
知っている・・・俺がこの森に来た時から見てたことを、だからミルドが大樹の上に居ると思って斬ったことも、その一つだ。
そして、周りに大樹が無くなったことで、ミルドは出てきた。
「また、勝負しようか」
ニヤニヤしながら、俺に言う
いつも笑顔で勝負を挑んでくる。これが、毎日だ。俺は大きくため息を吐いた。
あの日に出会ってから、ミルドはいつも森にやってくるようになった。いつも通りに修行している時に、ミルドはずっと見ている。前世で言ったらストーカーされている気分だった。
確か違う日に、俺はミルドに勝負を挑んでいた。そのせいか、最近はミルドが俺に勝負を挑んでくるようになった。
内容は、俺が剣で、ミルドも剣だ。オーダと比べても、振りは遅く、力があまり入っていないことだ。それで、俺がミルドに勝った時に、悔しかったのか。戦いを挑んでくるようになった。
正直まだミルドの事は知らない、俺はまだミルドの魔術すら見たことがない。それとも、魔術が使えないのか?そう思いながら、ミルドの剣を弾いて、ミルドの首に剣を突き付け、終了ーーー
とういうのが毎回の流れだ。
魔物じゃなく人とこうやって戦闘訓練になるから付け合っているのだが、ミルドが何かを隠している気がする。剣を使っている割には、振りも、魔力を込めるのが下手だ。そう思いながら、戦ってきた。ミルドは少しだけ悔しいそうな顔しながら、見て笑ってた。
あまりにも可愛そうなので、教えて上げた「良いか?ミルド、剣を早く振るには、筋肉が必要なんだ。あとまともに剣でガードじゃなく、避けることも考えた方がいいかもしれないぞ」と指摘した。それを聞いたミルドは「なるほど」って聞いてた。
戦闘練習をしているはずなのに、剣を教えている人になっていた。
「さて、今度こそユウキ君に勝つよ!」
今日のミルドは、勢いが良かった
「俺は負けないぞ!」
ちょうど、俺が練習に大樹を斬ったせいか、広い場所になっていた。そこで、お互いに剣を構える。
前のミルドと違って、剣の構えが良くなった。それを見て少しだけ嬉しかった。
「行くよ」
「あぁ・・」
宣言とともに、ミルドは俺に向かってくる!前とは違って、足も速くなってやがる!その瞬間ミルドは俺に剣を振った。
だが俺はミルドの動きを読んで、容易く避けた。そらにミルドは、俺に向かって、二撃目を放ってきた。俺はそれを受け流し、カウンターを繰り出した。
「ぐ・・」
カウンターを食らって、後ろに吹っ飛ぶ。
やはり、前とは違う。剣の振りも、追撃をする早さも、そう思いながら、ミルドの方へ向かう。それに気付いたミルドは体制を立て直す。
ミルドに向かって剣を振る。だが、ミルドは俺の剣を避けるが、俺の素早い三撃目でミルドに当てる!吹っ飛ぶミルドだったが、何かを言っていることに気付いた。
「悪いね。今度こそユウキ君に勝つよ」
そう言いながら、ミルドは手を上に向けてた。
「ーーー!」
何かが来る。そう思いながら、ミルドとの距離を詰めるが俺は気付いた。
ミルドの体からはビリビリと纏っていた。俺は気付いた・・・あれは、剣技でもなく、流派でもない。
それは魔術だった。
ミルドからの感じる魔力は、尋常じゃないほどの、魔力だ。こんな強い魔力を感じたのはオーダ以外居ない。
ミルドからすごい量の魔力が、ミルドの手のひらに集まっていた。
ミルドが手を上に向けて先に、空は少しだけ、暗くなってきた。ゴロゴロってなる。今でも、雷が落ちる勢いだった。そして、魔力を放つように、俺に手を向けた。
「ーーー《業火天雷》」
ミルドの言葉とともに、空が光った。
《業火天雷》なんて聞いたことがない魔術だ。だがヤバイと思った。脳内が危険を察知した。上からさらに、光って、だんだん溜めってくる。
「燃えろ!」
そう言った瞬間!ゴロゴロと鳴りながら俺の上に雷が落ちてきた 。これはヤバイと思った。だから少しだけ、ずるをした。《魔像限界》を発動して、雷を避ける。《雷》の知識はあるが、聞いたこともない魔術、見たことがない赤い雷だった。
どれぐらいの威力なのかは、分からないが。
「・・・ふっ!」
素早く足を踏み込み、《業火天雷》を避ける、それでも、追いかけてくる、俺でも分かる、食らえば、無事では、いられないだろう。
普通の雷魔術師なら超える威力だ。
だがーー。
スピードに追い付けないせいか、食らうことは、無かった。
「くっ・・・」
ミルドは苦しそうだった。雷を動かすには、魔力がいる。それが切れかけている。
そのせいか、追ってくる雷が、遅くなってくる。
俺から見れば、上級魔術並みの威力だった。
使い手によって威力や速度は変わるから、魔術は油断できない。
「ーーーッ」
ミルドは魔力を使い過ぎたのか、体が震えていた。このまま行けば、ミルドとの間合うを詰める。
ここで刃を突きつければ、いつも通りの決着だ!
「はっ!」
と、俺がミルドのすぐ目の前にまで、迫った瞬間だった。俺は彼の口がニヤニヤしてのを見た。
何だ?
少しだけ、不気味が悪いと思った瞬間だった・・・
「《火炎雷》」
ミルドが詠唱なしに、《火炎雷》を発動させた。手のひらから放たれたビリビリと荒れる赤色の雷。
「・・・!」
詠唱無視か!
《火炎雷》これも聞いたことがない魔術だ。今まで戦ったが、こんなミルドは初めてだ。こんな技術がミルドにあるなんて、こいつは一体何者なんだ?
使う素振りはまったく見せなかった。勝つためにも隠してたのかもしれない。言えば、奥の手ってことだ。
《火炎雷》が目の前に迫る
不意を突かれたといえ、反応できないわけではない。
ここからでも、これを切り裂くのは可能だ。だけどその場合!魔力を使いすぎたミルドが避けれないだろう。すでに俺はミルドのすぐ目の前にまで迫っているのだ。
これは、やられたな・・・俺はまた、相手の動きを見てなかったらしい。
《魔像限界》の強度をあげ、そして片手剣を構えた。《火炎雷》を受け止める。
《火炎雷》はすごい威力だった。剣で抑えているのに、俺は後ろに下がっていく・・・
「ぐ・・・」
そのまま大樹にぶつかった衝撃で片手剣は、後方へ大きく後退る。
防御態勢と《魔像限界》により怪我を負うことはなく、大樹に体が叩きつけられた。体を動かそうと瞬間だった。
俺の首に剣を突き立てられた。
「・・・・やられてしまったな」
ミルドの顔を見た。するとミルドの顔が満面の笑みを浮かべ、喜ぶミルドの姿だった。
「勝った・・・あのユウキ君に勝った!」
ミルドは俺を見て、どうだって顔しながら、見てくる、少しイラッとしたが、確かに、今日は俺の完全敗北だった。
よくミルドのことを見ていなかった。それに、油断、慢心、決めつけた。
そして、あの魔術・・・
これが今回の敗因だ。
剣しか使えない奴だと思ったが、まさか魔術を使うとは、ミルドに油断をした俺の負けだ。
当然、敗北に悔しさを覚える。オーダと戦った敗北とは違う感じだった。
多分だが同年齢に負けたからである。
だがこれは修行の一環だ。実戦ではないし。負けてもリカバリが利く状況なのだ。
この敗北の感じを忘れないようにする。そうすれば、同じ過ちを繰り返さないために、かなり悔しいから、次は二度と食らわない!
「はぁ・・・」
ミルドは喜んだ後に、俺の隣に座ってきた。さっきの上級魔法と中級魔法の消費のせいか、体に力があんまり入らないんだろ。
隣に座ってきたので、聞いた。
「凄いな、お前・・・どうしてあの力を隠していたんだ?」
「ユウキ君に勝つためさ、だから僕はこの為に魔力量を増やした。」
「そんなに強いなら剣なんて必要あるのか」
思った・・・そんなに魔術が強いなら、剣は必要ないんじゃないかって思った
「それじゃ駄目なんだ!それだと僕は「最強の剣聖」になれない!だからユウキ君に剣を習っているのさ。」
思い出した・・・そういえば、剣聖の試験は剣士か魔術剣士以外受けれなかったな。それで、ミルドは俺に剣を・・・。
「だからまず、僕は魔術剣士になる、だからユウキ君、剣をもっと教えてくれないか?」
「いつでも剣を教えてやるから、心配するな」
今もしかてちゃんと話しできているのか、前世と違って俺なりに成長したなっと思った。
そして、ミルドに聞きたいことがあった。
「なあ。ちょっと聞いていいか、ミルドの《業火天雷》と《火炎雷》は聞いたことがないんだが、どんな魔術何だ?」
「ああ、僕は生まれつき二属性魔術を持って生まれてきたんだ。僕の二属性は炎と雷なんだ」
軽い口調で、ミルドはそう言った
二属性魔術をもつ者は初めて見た・・・
「二属性魔術ってどんな感じなんだ?」
「うーん、そうだね二属性の魔力を感じながらかな。それを一緒に出す感じで魔力を放つけど、結構難しくてね。」
「俺と戦った時に使った魔術はどれぐらいなんだ?」
「そうだね、僕が使った魔術は、中級の《業火天雷》と初級の《火炎雷》かな」
俺は耳を疑った、《業火天雷》が中級魔術だと、あんな強いな魔術で中級は正直驚きだ。しかも《火炎雷》は初級って、俺の《魔像限界》を使っても受け止めれなかった。二属性魔術はそんなに強力なのか。
後でオーダに二属性魔術のことも聞いてみよう。
「さて・・・俺は帰るとしようかな、魔力もだいぶ回復してきたことだし・・」
「ああ・・・そうだな、だがな次は負けないぞ!」
「それは、こっちの台詞さ」
お互いに言い合った。本当に親友のように、心が嬉しかった。
「ユウキ君が親友で良かったよ・・・これからも頼むよ」
「ああ、その代わりちゃんと覚えろよ」
俺達が森を出ようとした瞬間だった
「ユウキ君・・・止まって!」
俺を止めるミルド、さらにミルドの後ろを見たら、魔物の群れが俺達を睨みつけていた。
ーーー
「何で・・・ここに《月狼》の群れが居るんだ!」
ミルドはそう言って驚いていた。
オーダから聞いた話なのだが、この森では生息しない魔物が何種類かいるらしいその中では、一番危ない魔物が《月狼》という狼の魔物だ。
名前の通り、灰色の狼の魔物だ。
普通はこの森に生息してない魔物で、満月が出てないと行動しない習性があると聞いた。もしかしてだけど、俺が初めて戦った《暁狼》の群れは、こいつらが居たから、森のはじっこに居たのか。
修行を始めてから、俺は何度か《暁狼》の群れに出会していた。魔物との戦いをを経験するため、森の奥に入って戦いをを挑んでいたのだ。前の戦いで《暁狼》の動きがハッキリ分かっていた。狙って剣を振れば、一撃で沈む。あの時とは違って、大して苦戦することもなく、倒すことができたのだ。
・・・だが、《暁狼》より強い相手を見るのは初めてだ。しかも群れで会うなんて、最悪な気分だ。
「行けるか!ユウキ君」
《月狼》の群れを見て、ミルドはカマエル、ミルドの右手には剣を握り、左手には?赤い雷がバチバチしている。
いつも魔物を余裕で倒していたミルドが
少し焦っている気がした。
ここに生息してない魔物で、《月狼》の群れを見れば、誰でも焦る。
「グルゥゥゥゥ」
《月狼》は数は、六匹といったところだろうか。低く唸りながら、距離を詰めてくる。背を向けて逃げようと考えたが、即座にその考えをやめた。
俺とミルドなら《月狼》から逃げれるだろう。
だがこいつらをここで倒さないと村が危険だ。やっぱりやるしかないのか!
そう言いながら、俺は《月狼》達向けて剣を構える。
「死ぬなよ!ミルド」
「それはこっちの台詞さぁ」
二人の会話を交わした後に、《月狼》は牙を剥きながら近付いてくる。
《魔像限界》を行うと、連中は血走った眼球が俺の方を見た。
ミルドも剣を構えて、魔力を集中させている。
敵の数は六匹。
普通の《暁狼》だったら余裕なのだが、《月狼》はどれだけ強いのか分からない
だから囲まれない立ち居振る舞をしなければならい。
落ち着け、俺は一人じゃない、ミルドが居る。ミルドを信じるんだ。
「グゥゥゥゥ」
「ガルルル」
先頭に居た二匹が地面を蹴りつけ、勢い良く飛びかかってきた。
「来るよ!ユウキ君」
「分かってる!」
俺は、一匹目の《月狼》の攻撃をステップ踏んで、避け、疎かになった《月狼》の首を斬りおとす。赤い血を吹きながらそのまま動かなくなる。
よし・・・まずは一匹目!
ミルドの所を行こうと思ったが、そんな心配はいらなった。
もう一匹目の《月狼》はミルドの魔術《火炎雷》を食らって、
「ギャン!」
一撃で沈んだ。
やっぱり二属性魔術は強いのか?
そんなことを考えていたら。
《月狼》は吠えた
「オォォォォォン」
仲間がやられて怒っているのだろう。
他の《月狼》達が牙を剥き出しにして俺に襲いかかってきた。
冷静に回避していくが、《暁狼》よりも遥かに速い。
《月狼》の牙で、危なく腕を持っていかれそうになったが、何とか回避はしたが完全に回避しきれなかった。
「くっ・・・」
自分の左腕を見たら、刃物で切られたような感じだった。その傷口からは、赤い血が溢れる。
俺が左腕を抑えているところ見たミルドは急いで、駆け寄ってくる。
「ユウキ君、その左腕・・・」
「気にするな、まず《月狼》を倒さないと、」
俺のことを心配してくれるのは、嬉しいが、今はそんな事をしている場合じゃない。
残り四匹・・
もう一匹が再び俺を狙い出す!
「ガァァァ」
「ユウキ君は襲わせないよ!《火焔雷玉》!」
ミルドが出した魔術《火焔雷玉》は一匹の狼に放った。
そして、狼がその《火焔雷玉》に近付いた瞬間・・・
「吹っ飛べ・・・」
ミルドが言ったその瞬間、《火焔雷玉》が爆発した。雷と炎が森を焦がす!
それをくらった、狼は跡形もなく散った。
驚きが隠しきれなかった。その瞬間!もう一匹の《月狼》がミルドに飛ぶかかってくる。
ミルドは気付くのが遅かった
ミルドに飛んできた《月狼》の攻撃を阻止する
「ハァアア!」
鋭く踏み込み、一匹を袈裟懸けに真っ二つにする。血を浴びたがそんなの気にしない、なぜ俺がこんな対応ができたのは、
『絶心流剣術書』のお陰だからだ、基本的な技や流派が書かれていた。
相手が攻めてくるのを待ち構える技もあった、それが《無心派》だ、待っていては囲まれて終わりだ。だから、群れでおそってくる奴には、《無心派》は不利だ。
だから俺は練習した「暁狼」に対し、幾度と練習した攻めの技を使ったのだ。
「暁狼」で練習して良かったと思った。
まさかこれが、「月狼」に通用するなんてな。
残り二匹・・・
「ありがとう。助かったよ・・・ユウキ君?」
頭がクラクラする。血を流し過ぎたか?体が重く感じる・・・
一匹の《月狼》が俺に襲いかかってくる!
体はまだ動く。俺は剣を握り、攻撃をする振りをする。《月狼》は攻撃されると勘違いをして、俺の回りを囲もうとした、もちろん分かっていた。じゃなきゃ、攻撃の振りなんてしない。
左に来ると分かって狙って一閃。
「ギャンッ!」
《月狼》フェイントを掛けて正解だった。
残りは一匹だ。
最後の《月狼》は連続で仲間をやられたことに動揺したのか、《月狼》の動きが鈍る。
フラフラになりながらも、最後の一匹の所に走っていく。
その瞬間だった。
「これは少し、まずいな・・」
ミルドが上を向きながらそう言っていた。
走りながら上を見た。そこには綺麗な満月があった。満月・・・
「ーーーーッ!」
気付いた時には、遅かった・・・《月狼》の体が満月のように光った。
そして、俺に向けて、突っ込んできた・・・俺との距離が遠いはずなのに、凄いスピードで俺に向かってくる。
「ぐは・・・・」
《月狼》は俺に突っ込んで、攻撃をしてきた。《魔像限界》を最大にして、防御するが、勢いよく吹っ飛び、大樹に当たる。
お腹が熱い・・・お腹を見たら鮮血が視界に映る。それでも、俺は立つ!
「ユウキ君・・・」
ミルドは、俺の所に行こうとしたが・・・
「来るな!今来たら死ぬぞ!」
知っている!もし今ミルドが行ったら、「月狼」はミルドの方に向かってくるだろう。
ミルドも分かっていた。分かっていても俺の所に行こうとしたのだ。
《月狼》は、もう一回俺に突っ込む気だ。だったらあれを使う。
姿勢を低くし、構える・・・《月狼》が突っ込んできた。俺が攻撃をくらう瞬間だった。
「・・・そこだ!」
《月狼》の攻撃を避けて、剣を思いっきり振りかぶる!《月狼》は、空中に回った。さらに追撃をする!
剣に魔力を込めて、《波斬》を放つ
《月狼》は真っ二つに裂き、その先の大樹ごと斬った。真っ二つになった《月狼》は血が出て来て、大樹に血がつく・・・
「ユウキ君!大丈夫かい」
「大丈夫じゃないよ、こっちは左腕と腹が痛いんだ。でも、ミルドのお陰で助かったよ」
ボロボロになりながらも俺達は勝ったけど、何か嫌な予感しかしない。
何で、この落ち着かない気持ちは・・・
「ユウキ君、早くここからでて、村の人に伝えなきゃ、」
ミルドはそう言って、森に走ろうとした。
「待て!なにかが居るような気がする」
「《月狼》は倒したはずだよ。もう居るわけが。」
《魔想耐久》を使った、身体能力を強化するだけでなく、周囲の気配や動きなどを察知する『感覚』も同時に強化してくれる。これで、気配を感知する。
もう居ない事を祈るが、世界はそう甘くは無かった・・・。
見たものは、それは、《月狼》の群れが、ずっと見ていた。
「嘘だろ・・・」
絶望をしてた。ミルドも同じで、口が開いたままだった。それもそうだな。俺達が倒した《月狼》達は、まだまだ少ない方だった。
《月狼》の数は数えきれないほど居た。左見ても、右見ても、《月狼》が居る。俺は確信した。ここで死ぬって・・・だけど、俺は立つ・・・理由は分かっている。ミルドを森から出す。大事な親友の為に立つ。
「ユウキ君!何をする気だ。」
「お前を森から逃がす、だから俺がここで、食い止める!」
「無理だよ!そんな傷じゃ、ユウキ君だってボロボロじゃないか!」
ミルドは俺の事を心配してくれる。だけど、俺は絶対に守る!
ミルドを睨んだ。
ミルドは、悔しそうな顔しながら、俺から背を向ける!
「絶対に助けを呼んでくるからね、だから死なないでくれよ」
ミルドはそう言って、走り去って行った。
《月狼》の二匹が牙を剥き出しにして、凄い速さで、ミルドを追いかける。
「いかせねぇ!」
《魔像限界》を発動し、素早く、二匹を切り裂いた。その二匹は、もう、動かなくなった。
自分でも驚いた。こんなに速く動けるなんて、さっきは、体が重く感じたのに、いまじゃ浮いているようだ 。
そして、分かったことが・・・魔力が通常よりもあることだ。溢れるぐらい魔力を感じる。
《月狼》達は俺に視線を向けた。野生の血が騒いでいるのか・・・俺に駆け寄ってくる。
《月狼》の七匹が俺に飛びつこうとしたが・・・ステップを踏んで軽々と避け、俺に攻撃してきた、《月狼》を切り裂いた。近くにいた《月狼》は離れようとしたが・・・
「逃がすかよ!」
そいつにナイフを投げた。《月狼》は見事当たり、体が破裂した。
俺は驚いた、そんなに魔力を込めた気がしない。
周りの《月狼》達が俺の魔力量に気付き、動きが鈍る。
だが、《月狼》達の動きが止まらない、俺はひたすら斬った。
斬って、斬って、斬って。
止まることなく、斬り続ける。
残りは何匹だろ?
「グルゥゥゥゥ」
「ガルゥゥゥゥ」
「ガァァァァ」
バラバラになった仲間の死骸を踏み越え、三匹の《月狼》が突っ込んできた。
戸惑って動きを鈍らせた個体も、俺に怯えながらもきた個体を斬り付ける。
斬っても、斬っても、《月狼》は減らない。普通なら魔力が尽きてもおかしくないはずなのに、どこからか魔力が溢れてくる。魔力の底が尽きない、そうな気がする。
もう二匹の狼が仲間の死骸を飛び越えてきた。一匹は姿勢を高くして、俺の腕を狙う。もう二匹は、足を狙って駆けてくる。さっきの二匹で、剣を振り切った状態で、使えない。
だったら・・・
「・・・・フッ!」
さっき右手で握ってた剣を離して、俺の腕を狙う狼を右手で殴った!その《月狼》は吹っ飛び、大樹に激突し原型が保ってなくグシャって音がなった。
もう一匹は、俺の足を噛もうとした《月狼》を噛まれないようにタイミングを図って、左足で顎の下から蹴った。その瞬間、浮いたのは、体ではなく、頭だけ吹っ飛んでいった。血を浴びてとても気持ち悪い。
でも、楽しい・・・殺すのが、こんなに心を満たしたのは、生まれて初めてだ。
《月狼》達は、俺に怯えていた、何故怯えているのか?わからないけど、この感じが堪らなかった。魔物にも、認めてもらえるのか・・・
《月狼》の群れに行く時だった!
上から、人が降って来た・・・
「・・・え」
それを見た《月狼》はさらに震えてた。
まるで、敵わない敵に会ったように。
「ユウキ・・・随分とボロボロじゃないか。」
それは聞き覚えがある。男性の声だった。
「お・・・お兄さん!」
オーダが来たのだ。そして、オーダの隣に見たことがある少年が居た
「まだ、生きているか!ユウキ君」
そこには、ミルドも居た。それで、確信した・・・ミルドを無事に。森から出てくれたこと、そして、オーダが来た瞬間、安心感が合った・・・だんだん体が重くなる。今まで受けたダメージが効いてきて、体が倒れる。
「ぐっ・・・・」
「おい!ユウキ無茶しすぎだ。後は兄さんに任せな!」
安心させるオーダは《月狼》に視線を向けた。
《月狼》はオーダを見た瞬間、怯えて、体が動かないようだ。
「お前らが、俺の大事な弟を傷つけたのか!」
オーダは、俺が傷ついた姿を見て、《月狼》に怒っていた。
「俺の弟に傷付けたことを!後悔するがいい」
《月狼》の群れに向かって、オーダが剣を思いっきり振る
振った瞬間!凄い風が起きて、《月狼》達を切り刻み、バラバラなっていく。
《月狼》の群れどころか、大樹まで、大幅に切り刻んだ。
思った。やっぱりオーダは強い。
だから俺はオーダに見たいに強くなって、大切な人を皆を守れるようになりたい。
そう言いながら、俺は意識が消えるのであった。
そして、暗い森の中で一人、ニヤニヤしながら、俺達を見ていた。見られていたことは、
ーーー誰も知らない
お疲れ様です。すごく長くて疲れましたか?流石に長いなと思いました。
主人公がなぜ、急に魔力が上がったのは、次の話で分かります。 中にはこれを読んで、分かった人も居るかも、台風が来るし!就職試験もあるし。この世界は(リアル)クソゲーだ。
ってことで、またどこかで会いましょう!Twitterもやっているのでよろしくお願いします。
作者:どろりん/雪だるまより