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アンダードッグシティ  作者: 新村彩希
シティ内施設にて
3/3

蛹より、哀悼歌を港へ送る

太陽が大海原に煌めいて

風の優しさが頬を撫でた

若葉は唄い祝福をあげる

背中を押された哀悼歌。


目より耳より心を啄んだ

あのときの哀情はこびりついている

大切だと嘆くわりには

目の前の人も救えないのだろう。


あなたが先にいってしまったのなら

これ以上愚弄されても息がしづらいので

この景色と感情を葬り去り

花束をあげよう。


蝶より羽ばたいた麗しき心は

誰よりも重く誰よりも遠方だ

許されずに大きく育った心根に

あなたに捧げる哀悼歌。


きっと届けられない、あなたへの愛悼歌。






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