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蛹より、哀悼歌を港へ送る
太陽が大海原に煌めいて
風の優しさが頬を撫でた
若葉は唄い祝福をあげる
背中を押された哀悼歌。
目より耳より心を啄んだ
あのときの哀情はこびりついている
大切だと嘆くわりには
目の前の人も救えないのだろう。
あなたが先にいってしまったのなら
これ以上愚弄されても息がしづらいので
この景色と感情を葬り去り
花束をあげよう。
蝶より羽ばたいた麗しき心は
誰よりも重く誰よりも遠方だ
許されずに大きく育った心根に
あなたに捧げる哀悼歌。
きっと届けられない、あなたへの愛悼歌。