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翅のついた人間たち
空には人間がいる。
今迄地にしかいることの出来なかった人間という生物が、遂に空という永久的な場所まで到達してしまった。
でも、空は永久ではなくなってしまった。
人間についた翅は、空を守る「それ」を吸収してついているのだ。
人間はそれにまだ気付いていない。「それ」を浪費している。
私は「それ」の変化にすぐに気付いた。
いつか人間もその変化にいつか気付くだろう。
そしてまた同じことを続けるのだろう。
私は、それを止めることが出来ない。
だって、私は「それ」なのだから。
「…あれ、今日晴れだよね?」
「うん、そうだよ」
「…なんか、違くない?」
「…え?」
それでも人間には翅がついて、空を飛ぶ。
羽は鳥のはね。羽根は、鳥から抜けたはね。翅は昆虫のはね。らしいですね。