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私の考えたお話  作者: 魚拓=ヘンドラムス
17/24

輝夜姫は夜の闇に消える

月の形はとても綺麗で、何かが思い出せるような。何故だか懐かしいような。その真の意味を知っているか。そう言われれば、YESと言えてしまうのだろうか。でも、私は何も言わない。しったかぶりなどしないのだから。

「かぐや」

「翁様」

「今日の婚約者は…」

「ああ、逃げて行っちゃいました」

「そうか。…暗くないかい?」

「大丈夫ですよ。私はこのくらいが好きなんです」

暗闇と言うのは、恐いものでも、何もないものでもないと思う。夜が来れば月と一緒に暗闇が来る。嫌な明るさばかりでは、もはや暗闇が恋しくなる。誰もこのことは知らない。月は常に明るい。夜と共に光る月は、常に明るいのだ。

「…かぐや。月に帰るのか?」

「帰りません。私はここで一生過ごすのです」

「それなら…私もうれしい」

「はい。私も…です」

「―――――」

「翁様」

暗闇は、私を救ってくれる。嫌なことから救ってくれる。私は暗闇が好きだ。常に暗いこの場所は私が住むところ。大好きなところ。光は、私を殺してしまう。底の底へと突き落とす。常に明るいあの場所は、私を殺す。嫌にさせる。もう嫌だった。

「―――――」

「媼様」

「かぐや」

「媼様」

「私はあなたのことが大好きよ」

「私もです。とっても嬉しいです」

「本当に大切な人なの。大好き」

「私もです。」

「嬉しいわ。かぐや」

「私もです。」

大切な物とはなんなのか。迷う人もいるだろう。私はすぐに言える。決まっているじゃないか。大切な人とは何なのか。迷う人もいるだろう。私はすぐに言える。…本当に、決まっているじゃないか。

「何があっても私はあなたのことを忘れないわ」

「私もです。」

「私も…よ…フフッ」

「…ぷっ。フフフッ」

「フフッ…・・・・・・」

「…媼様」

「―――」

大切な物なんて、大切な人なんて、もう、決まってるじゃないか。

「――――――――」

「翁様」

「――――」

「翁様」

「――――」

「翁様…?」

「――――」

「…・・・っ、」

「ぅああ…ッ。ああっ…」

そして暗闇は、私を救って私を殺す。

かぐや姫っていいですよね。

憂いを帯びた女性みたいな感じで。

でもこの輝夜姫は病んでてちょっと無理ですね。

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