第99話 抜けのない指示を目指す
多少のトラブルはあったものの、パンでは新技が試せない(一度やってみた)ので、ここからは指示を守る練習のターンになる。
が、パンは作戦を立てるので精いっぱいなので、指令はフリルがやることにした。
が、フリルも何度もパンに呼ばれるので、ワインがやることにした。
「ところで、ケットシーって三匹いるんですよあーーーーーーーーーっ! やーーーーーーーーーっ!」
絶対に確実に間違いなくわざと言ったドットが、旧技と新技のコンボを食らったが、悪魔のくせに天に召されたような表情だったので、ワインは引くことしか出来なかった。
「そうね、三……名いるわ」
「でしたら、この指示では1とか2とか言われても、三匹のうちどれか分からなあーーーーーーーーーっ! やーーーーーーーーーっ! あーーーーーーーーーっ! やーーーーーーーーーっ!」
天国かつ地獄がそこにあった。
ていうかね、自分の尻穴に突っ込まれた指で胸を揉まれるとか、そういう衛生観念はないのか、この子?
「まあ……言いたいことは分かったわ。あと、趣味の楽しみは否定しないけれど、後にしなさい?」
ワインは常識人枠だからこういう時は引く。
「確かに三名個体判別今ここでは出来ないし、特徴も覚えてないから、どうしようもないわ」
「じゃ、どうするにゃ?」
「こちらで名づけるしかないわね」
「それが出来ないにゃ! ……出来ないにゃ!」
ストライプはワインに襲いかかろうとしたが、隙がなかったのでやめた。
「だから、後付けになるわね。最初に突撃した人が狙ったのがケ1、次の人がケ2ではどうかしら?」
ワインの言いたいのはこういう事だ。
パンが「ケ1」って言ったら、言われた人はどのケットシーに攻撃に行ってもいい。
で、その攻撃したケットシーが「ケ1」になる。
次の人が「ケ2」って言われたら、残りのうち一人を攻撃する。
それが「ケ2」になり、残りが「ケ3」だ。
こういう作戦はパンも考えつくだろうが、今は忙しいのでワインが考えた。
まあ、ワインも賢いから。
「分かりました。それで行きましょう」
「だが、まだ問題はある。ケットシー以外の者がいる場合もある。ケットシーも三匹から増えている可能性もあーーーーーーーーーっ! やーーーーーーーーーっ!」
ノーに関しては本当にわざとじゃねえかってタイミングを疑うけど、これが天然だから怖い。
というか、ストライプ張り切りすぎ。




