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第86話 何故か戦闘が始まる

「えっと……どうしよう、これ?」


 パンは対峙する四人を前にして困り果てていた。

 こういう喧嘩は、戦力分析には役に立つのだが、この四人に関しては、パンも熟知しているのでわざわざ見る必要もない。


「フリルさん、ちょっと……」

「なんだ、早く向こうへ行ってろよ」


 パンはこの中で一番話が分かりそうなフリルに話してみる。


「何だ?」

「あのですね、なんとかこの喧嘩を戦力の確認に使えないかなと思いまして」

「おう? ああそうか」


 こいつ、そこまで考えていたのか、と少し驚くフリル。

 パンとしては、悩んでいるところに喧嘩が始まったので、どうせなら戦力が分かるように戦ってくれないかな、と思っただけだ。


「ですから、何とかしてノーさんブラックさんリボンさんも仲間について入れてみてください」

「……無茶を言いやがるなあ。そもそもこれ、俺が売られた喧嘩だからな?」

「……ですよね、すみません無理を言ってしまって」


 パンにしょんぽりそう言われると、フリルも切ない。


「分かったよ、出来る限りやってやる」

「本当ですか?」

「出来る限りだからな?」


 可愛いパンに弱いフリル。


「おい、ブラック、お前はどっちに付くんだ?」

「え? 私?」

「向こうについて、ストライプに可愛がられたいのか? どうなんだ?」


 その言い方は卑怯。


「そ、そりゃあ、私もフリルの方だけど……」

「そうか。で、リボンは?」


 一番自分のところに引き入れやすそうなブラックを仲間にして流れを作る。

 こういうのは多い方がいい、だから、流れは続く。


「リボンは数的に向こうかな?」

「ちょっと! まだその子がそっちに行けば数はちょうどいいじゃないの! 私もそっちよ?」

「そうか」


「私だって、強くてたくましい方が……」

「そ、そうか」


 なんだか、今朝の間違いをまだ引きずってて、しかもどんどん寄って来てる感じ。


「これで、全員決まったな? よし、やるか」

「私は熟考を重ねた結果」


 なんだか、もうチームが決まったのに、ノーが今からどちらに行くのか発表する感じになってる。


「私は、親友を見捨てることは出来ない。だから決めた」

「うるさいにゃ! さっさとこっち来るにゃ!」

「あーーーーーーーーーっ!」


 その親友、見捨ててもいいんじゃね?


「決まったにゃ! こっちは私とドットとノーとパン、そっちはフリルとワインとブラックとリボンにゃ!」

「え? 私もですか?」

「当然にゃ! 数が合わないにゃ!」


 ナチュラルに数から外されてるレザー。


「あの、せっかくなので、勝ち抜き戦にしませんか?」

「勝ち抜きにゃ?」

「その方が勝敗がよく分かりますし」


 パンは頭がいい子なので、自分の戦い以外、じっくり見られる方法を考えたのだ。


「俺はいいぜ?」

「いいぜって言われても、私、一人じゃ戦えないんだけど」


 ブラックの抗議。


「それは、パンも同じだろ? ヤバいと思ったら負けを認めていいからさ、やるだけやってみようぜ?」

「まあ、それなら……」


 ブラックは渋々承諾する。


「よし、じゃあ始めようぜ? そっちは誰が戦闘だ?」

「パンにゃ!」

「え? ええっ!?」


「負けたら分かってるにゃ?」


 ストライプがきらり、と指を光らせる。


 どうしよう、自分が始めたこととはいえ、こんなことになろうとは。

 負けたら尻穴に指。

 そして、勝てるわけがない。

 いきなり窮地に追い込まれたパンだった。


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