第83話 魔族の剣
「剣術も魔法も好きに使っていい。多少怪我させるつもりでも構わねえ。だが、いきなり死ぬとかはなしでな?」
「わ、分かりました、行きます……!」
持っていたミドルソードを構えるドット。
その剣は刃が黒く、だが、磨き上げられた金属の輝きはあった。
「氷華の剣舞!」
ドットが呪文のようなものを唱えると、その黒い剣が白く、光り輝き始めた。
「…………?」
フリルはそれを不審に思い剣を構えつつ、周囲を見回す。
少し離れたところに大木があり、その下には自然に落ちたであろう小枝が転がっていた。
「あれだ……ていっ!」
フリルは一瞬で大木に走り、その小枝を掴み、ドットに投げる。
「この程度!」
ドットはそれを払いのける。
すると、小枝は一瞬で凍り付き、地面に落ちるとともに、砕け散った。
「なるほど……こりゃあ、ストライプと相性が悪いわけだ」
剣に魔法をかけて、その剣が魔力を持ち、触れる者を攻撃する。
それが剣でも同様だろう。
とにかく受ければ破壊される。
そして、その構えにも隙がない。
魔族剣術は、どうやら王国剣術と同じルーツではないかと思われるほど、立ち方も似ている。
だから、一般的な剣術よりも強いし、また、ドットの魔族としての素質から、一般的な人間、多少鍛えた程度の人間には敵わない相手だ。
「これでただの召使い……やっぱり、魔族は強えな」
フリルが苦笑する。
もちろん、彼女がこれに対抗出来ないわけではない。
「はぁぁっ!」
ゼロからのトップスピード。
一瞬の隙をついて、ドットの至近距離に入り込み、その身体を抱え上げ──。
「全身電雷!」
「やべっ!」
フリルは一瞬でドットを投げて距離を取る。
パァン!
直後、ドットが一瞬、光と音に包まれる。
まるで雷に撃たれたように。
だが、それは、ドットには一切のダメージはない。
彼女か発したものだからだ。
「攻撃はこれだけか?」
「他にもありますけど、主なものはこの二つです」
「そうか……」
大体のドットの攻撃タイプが分かった。
が、フリルは自分で言って間違ってて恥かくのが嫌だった。
「パン、見たよな?」
「はい、ドットさんは接触型魔法攻撃ですね。近接こうげきでは最強クラスかも知れません。……ただ、飛び道具や魔法攻撃には弱いかと思います」
やはり、思った通りだ。
「うにゃ? だったら私と相性いいはずだにゃ? どうして攻撃が当たるにゃ?」
「そうなんですよねえ。そこがどうしても不思議です……」
言わなくてよかった。
いや、さっき「なるほど……こりゃあ、ストライプと相性が悪いわけだ」とか、めっちゃ、格好付けて言っちゃった。
どうしよう、みんな聞いてなければいいけど。
「そう言えばさっき、フリルが私と相性が悪いと言ってたにゃ! どう言うことだにゃ?」
聞かれてた!
一番やっかいな本人に聞かれてた!
「そりゃあ、あれだ、あれ、うん」
「なんだにゃ?」
「なんでしょう?」
フリルは、何と答えるのだろう。
作者も考えてないので、次回発表!




