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第80話 最強の生物の婚活

「まあ、こういう雑談でも話さねえよりはいいんだ。だが、突き進んでもしょうがねえから話を変えるか」


 ワイガヤの基本ルールでは否定もあり、その否定がおまいうでもありなのだ。

 だから、話を進めるのもそれを止めるのも問題がないルール。


 だったらなぜ、ストライプを止めなかったのか?

 フリルは「それも自由」ってことにしてるけど、正直に、ノーに指摘されてイラッと来たって言っちゃえよ。


「そう言えば、シルクはケットシーを三匹飼い慣らしているわ。ケットシーは魔族でもないから、彼女はもしかすると、全ての生物と戦うつもりなのではないかしら?」

「生物全て? それでどうなるんだよ?」

「おそらく、見れる姿の者で、自分に勝てそうな種族を探しているのではないでしょうか?」


 見れる相手に負ける。

 それが強くなった者の宿命。

 いや、どんだけ見た目にこだわってんだよ?


 まあ、王家に生まれたら、子供を産まなきゃならないってのは分かるけど、それでもなんかやり方ってあるでしょ。


「…………そうか」

「どうしたの、フリル?」

「いや、もし俺が一緒にいたら、俺もああなっていたのかなと思ってさ」


 シルクは強くなることしか考えていない。

 そうやっておそらく生まれた時から育てられてきたのだ。

 脈々と受け継がれてきた強さに対する血を今後も引き継いでいくために、誰よりも強くなろうとした結果、誰よりも強くなってしまった。


 このままではより強い次世代を作ることが出来ない、という、これまでの人生が虚しくなるようなことになってしまっている。

 誰よりも強くなれば、相手がより取り見取りになわけでもなく、どんどんと幅を狭めているだけだ。


「王族ってのはさ、特に姫ってのはさ、次の王族を作るために存在してるんだ。だから、相手なんて選べねえ。そりゃ分かってんだ。けどよ、それを全うした奴が報われねえってのは、おかしいよな……」

「王家はそのようなものなのでしょう、あなたが今言ったばかりだわ。私たちの女王様であるナルケナ様も同じだわ。異種族の殿方を気に入ったらしいのだけど、諦めたらしいわ」


 どこの世界も王族は結婚相手を選べない。

 それは同じだ。


「どうしてナルケナの事はミントグリーンって呼ばないにゃ!」

「どうしてあなたは陛下の下着の色を知っているの!?」

「前に見たにゃ!」


「今後それを口にしない! いいわね!?」

「ふにゃ~」


 重かった雰囲気が軽いものに変わってしまった。

 レザーは会ったこともないエルフの女王のパンツを想像して、ひそかに興奮していた。


 ちなみに女王はおしゃれなので、たまたまストライプが見た時がミントグリーンだっただけで、色々な種類のパンツを持っているみたい。

 超どうでもいい情報だけど。

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