第77話 どうすればいいか?
「とにかく、奴はシルク! シルクでいいな?」
フリルが反論は許さない口調で言ったが、みんなどうでも良かったし、そういう口調は食事するところでいつもそんな感じで慣れてたから何も言わなかった。
そんなわけでシルク姉さんになったわけだが。
こっちのシルク姉さんは若いよ? 何歳だっけ?
検索しても出てこなかったけど、よく考えたらフリルの年齢も明記してない気がしたので、ぎりぎり十代じゃね?
「とにかく、シルクは悪魔の術も使えて、神にも干渉出来る力を持つってことだな?」
あ、いきなり十代の女の子っぽくなくなった。
「そんな人、倒せますかね……?」
パンがつぶやくように言う。
ここにいるメンバーは、レザーを除き、それぞれ得意分野では一般人よりも遥かに実力を持つメンバーだ。
「王家の者は誰よりも強くなければならない」という王家で育ったフリル。
人を遥かに超える能力を持つエルフ族の貴族であるワイン。
そのエルフ族女王のボディガードであるストライプ。
十一歳にして政経学校に在籍していたパン。
十七歳にして魔法学園の講師兼研究者をしていたノー。
十五歳にして首都で人気の踊り子だったブラック。
気配を消したりが自在に出来るリボン。
魔王の側近だったドット。
なんか、後半になるほどしょぼくなっていくんだけど。
こういう話って後から入ってくる方が強くなるもんじゃないの?
というか、ブラックって何の役に立ってるの?
差別するわけじゃないけど。
ブラックを差別はしません。
まあ、とにかくそれぞれの分野では尊敬されるような人物なのだが、それらが束になっても神に手が届きそうなシルクには敵いそうにない、と誰もが漠然と思っていた。
「私に名案がある」
大体の時には黙っているノーが口を開く。
ノーが喋る時はモブ的に混じってる時か、フィンガーオチの前に限るのに。
「何だよ、どうすればいい?」
こう見えてノーは天才魔法使い。
子供のころからわき目もふらず魔法を勉強して研究して来た。
そのせいで常識がなくなってしまっているが、名案があると言われれば一番頼りになりそうだ。
パンも初めて聞く天才のアイディアに注聴している。
「まずは、全員がパンツを脱ぐ」
「は?」
「そうすれば、全員がノーとなり、誰が誰だか分からない」
「いや、あのな?」
「その、混乱しているところを攻める」
わけが分からないよ。
「あのな? 例え俺がノーパンになっても、みんな多分俺の事はフリルって呼ぶし、シルクの奴はエリーズって呼ぶと思うぜ?」
「それは想定外」
「何をふざけているにゃ! みんな真面目にやってるのに一人ふざけてるにゃ!」
いや、お前はそれを言う資格はないよ?
「こうなったらお仕置きにゃ!」
「あーーーーーーーーーっ!」
はい、フィンガーオチだったね?




