第76話 君の名は、被るし、お前は冠る。
「ところで話を進めてもいいかしら?」
もう、ノーが叫ぶことは放置して、自称ストライプの保護者のはずのワインが言う。
「お、おう、すまねえな、変な話で止めてしまってよ」
「それはいいのだけれど。言いたいことがあって」
何か作戦でも思いついたんだろうか?
こう見えてワインも頭脳派ではあるし、エルフという誰よりも長生きの女の子なので、十一年しか生きていないパンなんて子供も子供、幼女なのだ。
十一歳は幼女じゃねえだろ、と思うかも知れないけど、デグレチャフ中佐は十二歳でも幼女とか言われてるから幼女だと思う。
そのワイン様が何と言うのか?
「私のパンツの素材はシルクよ?」
自己主張だった。
「それを言うなら俺だってピンクだ!」
ピンクなんだ。
本当、パンツと見た目は可愛いよね、フリルちゃん。
「ピンク……思い切ったわね!」
「ああ、だが、俺ならいけると思った。だから思い切った」
何の話だ。
多分ね、ピンクって穿く人が穿けばベージュに見られるし、そうなると一気におばさん臭くなるから、穿いてる子はどう見られるか、勇気がいるんだ、知らんけど。
とりあえず、ワインの話も含めて超どうでもいいが、フリルとかワインに反論出来る子は限られている。
「私は薄い」
「いや、知らんけどよ!」
ノーが何か言ったけど、多分パン的な言い方に出来るよって言いたいらしい。
この辺、突き詰めるとノクターン連載になるので曖昧にしておく。
とりあえず、あーーーーーーーーーってなった。
「てめえ、聞いてんじゃねえ!」
今更、レザーが聴いていたことに気づき怒るけど、これは理不尽だよね?
「俺も、パンツの名前にしませんか?」
「うるせえ! その話は終わったんだよ! てめえなんてレザーだ!」
「レザーって皮パンですか?」
何も知らないドットが気になったので聞いてみた。
「包茎だ!」
「ほうけい……?」
ドットちゃんは初心な女の子なので包茎とか知らない。
そして、わざわざ教えるような子もいない。
「実際に見るにゃ!」
「うわっ!?」
ストライプにズボンとパンツを下ろされた。
「ちょっと! やめてくださいよ!」
慌ててあげようとするけど、慌てているのでしばらく上げられず。
ドットちゃんは魔族なのに、手で顔を隠して、指の隙間から見てた。
ちなみに怒るはずのフリルやワインも、レザーがズボンを上げ切る瞬間までガン見していた。
ノーとかリボンとか、ブラックとか、みんなそれぞれリアクションはあったりなかったりしたけど、ガン見していた。
だって、見たいんだもの。
で、結局そういうのは一度決めたらそれでいいじゃんってことになった。
パンも白のコットンパンツだけど、「他にいそう」ってことでパイパンのパンになったけど、他にいないしね、今のところ。




