第72話 魔王対策会議っぽいもの
魔族も仲間に入り、魔王、というかまあ、魔王の居場所も正体も分かったので、後は行くだけなのだが。
まず、あの化け物にどう勝つか、という、最大の難関がまだ何も解決していなかった。
初戦ではフリルが早々に戦意喪失して逃げ出そうとして、他のメンバーも戦う前に敗北。
二戦目はワイン、ストライプ、ブラックで戦い、全裸にされたが、レザーの奪還に成功した。
まあ、簡単に言うと、トラウマレベルの敗北を喫している。
あの時から更に二人増えたとはいえ、何の作戦もなく勝てるとも思えない。
「どうすればいいかなあ……」
悩むのはフリルで、考えるのはパン。
これだけ人数がいても、大体この二人に従うだけになってる。
パンは確かに賢いしこれまでの作戦も大抵こなして来たが、作戦のために必要なのは情報であり、新魔王であるライサナの情報は、フリルか、実際に戦っているところを見たドットしかいないのだ。
とは言え、誰がどんな情報を知っているか分からないため、一度対策会議を開こう、と、また村の食堂に戻ったのだが。
「もっとうまいのを出すにゃ!」
「生肉を焼いただけでも満足するあなたが、口が肥えたわね? 確かに私の口には合わないのだけれど」
「ねえ、この野菜鮮度悪いんだけど、残り物なんじゃないの?」
「おめえらうるせえよ! 店の中でまずいとか言うなよ!」
「でもまずいにゃ! 許せないにゃ!」
「ここは私の顔に免じて」
「うるさいにゃ!」
「あーーーーーーーーーっ!」
なぜ今、絶対にそうなると分かってることを言ったの?
ノーが賢いって嘘なの?
「……食材を買って、私が料理した方が良かったでしょうか?」
新入りのドットが言う。
「ドットは料理出来るのか?」
「一応は召使でしたから」
「じゃ、魔王城に戻るにゃ! もう一度食べるにゃ!」
「そんな時間ねえよ! さっさと飯食え! 話をするんだからよ!」
「ここは私の顔に免じて」
「うるさいにゃ!」
「あーーーーーーーーーっ!」
「彼女はどうしてストライプさんを怒らせるようなことをわざわざ言うのですか?」
ノーの、確実にストライプを怒らせることをあえて言うのか意味が分からなかったので聞いてみた。
「知らん、あいつはそういう奴だ」
誰も知らないから、誰も答えられない。
「とにかく、みんなクソ魔王ライサナについて知ってることを答えろ!」
「肉不足だにゃ!」
「ああっ! おい、肉もっと持って来い!」
「野菜も追加! あとカシス!」
「それでしたら、果実を頂きたいわ」
「ここは私の顔に免じあーーーーーーーーーっ!」
話は、全然進まなかった。




