第65話 何もしていない方
ストライプ甘えがしばらく続き、その間ノーはぼーっと空を見ていた。
多分高速で何かを考えているのだろうけど、傍から見ると、ぼーっとしているようにしか見えない。
そして、時々それを見つけては襲いかかるストライプ。
レザーは寝そべっているだけで、そんなことが近辺で行われていたわけで。
襲いかかるストライプのストライプが見えたり、ぼーっと近くで突っ立っているノーのスカートの中のノーが見えたりもしていて、しかも誰もそれを止めなかった。
レザーのおっきしたちんちんの上にストライプが乗っかって折れればいいのに。
「……何してるのよ?」
最初に戻ってきたのはリボンだった。
彼女はストライプを警戒して近寄っては来なかった。
「リボンにゃ!」
「ちょ……!」
飛びかかってきたストライプに、リボンは慌ててノーの陰に隠れた。
「リボンかと思ったらノーにゃ! ノーはもう飽きたにゃ!」
「理不尽以外を感じない」
「お前は服でも脱ぐにゃ!」
何の抵抗もなく、全裸にさせられるノー。
この二人の関係をまだそこまで知らないリボンは、自分がノーを押し付けたことで、ノーが辱めを受けていると思い、罪悪感にかられる。
何よりノーは確実にリボンよりお姉さんなのだ。
「や、やめて! 私が後は引き受けるから!」
既に全裸になって、だが隠しもせず、今まさに尻を拡げられかけていたノーを抱きしめて庇う。
「邪魔をするにゃ! 許さないにゃ!」
「て、抵抗はするわよ!? 私だってその気になれあーーーーーーーーーっ!」
既に目の前にいて、認識されている状況では、素早いけどストライプには負けるリボンは無力だった。
一瞬で隙を突かれ、叫ばされた。
「お前もにゃ!」
「あーーーーーーーーーっ!」
当初の目的だったノーも叫ばされる。
「……何やってんだ、お前ら?」
戻ってきたフリルが見たのは、まだ慣れてないので尻を押さえて泣いているリボンと、全裸で叫んでいるノー、そして、鼻血を流しているレザーだった。
「てめえら大人しくしてるってことが出来ねえのか!?」
「出来る」
「叫んでたじゃねえか!」
「もっと叫ばせてやるにゃ!」
「あーーーーーーーーーっ!」
「いい加減にしやがれ!」
フリルが怒鳴ると、やっとストライプがお暴れをやめる。
「はあ。てめえらは……はあ……おい、レザーてめえは何なんだよ!」
もっと言ってやって?
「な、何って何が?」
「この状況を見るなって言ってんだよ! 別に止めなくてもいいから、目をふさいどけってことだ!」
「ふ、ふさいでたよ?」
何故そんなすぐばれる嘘を吐く?
「鼻血出てんじゃねえか?」
「あ……こ、これは、想像で……」
「てめえは想像では鼻血まで出ねえよ!」
完全に把握されているレザー。
「今度からは目をつむれよ? 分かってんな?」
「うん、分かった」
ちなみにこれまで十二回注意されていた。




